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土壇場で復帰断念 それでも主夫が嫌にならなかった

僕が家に入った理由(下) 復帰直前の体験保育、息子はバナナを食べなくなった

 (前回のあらすじ) 4歳年上の妻と、小学6年生の息子と暮らす橋本雄一さん(42歳)。現在の肩書は「主夫」だ。以前勤務していたアパレルメーカーで、男性社員も育児休暇を取れたことがきっかけ。会社を立ち上げたばかりの妻に代わり、1年間の育休を取得した。

 もちろん、1年後には職場に戻るつもりだった。しかし、復帰を前に保育園を探したものの、どこもいっぱいで見つからない。やむを得ず私立の保育園を探して回ったが――。

 「体験保育」として息子(当時1歳)を預けた私立保育園は、園内にWebカメラを設置し、保護者がいつでもネット上で閲覧できるシステムを導入していた。幼いわが子を預ける保護者の不安な気持ちに配慮した、最新鋭のサービスだ。園内の雰囲気もよく、清潔感もあった。「ちょっと割高だけど、ここならば安心して預けられそうだ」と思ったという。しかし…。

 「その夜の息子は、全然元気がなかったんです。何を言っても、押し黙ったままで、表情も暗い。大好きなバナナをあげてみましたが、全く手を付けようとしませんでした。初めは熱でもあるのかと思いましたが、どうやらそうではない。気になって、保育園のWebカメラの録画を見てみました」

預けることに急に不安になってしまった

 保育園のその日のおやつは、バナナ。子ども用のいすに座った息子のテーブルにも、バナナが配られた。しかし、それを食べようとして、うっかり床に落としてしまったのだ。バナナ取りたいけれど、うまく手が伸ばせない。保育士さんに訴えようとキョロキョロしてみるが、保育士さんは騒いだり泣いたりしている他の子どもの世話で手いっぱい。「落ちたバナナ」には、最後まで気づいてくれなかったのだ。

 「保育士さんは一生懸命やっているのだと思います。手のかかる子にどうしても目が行ってしまうのもわかります。でも、そのために、うちの息子のような“おとなしくて手がかからない子”はどうしても後回しになってしまう。これが思わぬ怪我を招いたり、トラブルになりやしないかと、不安を覚えました。まだ1歳足らずでしたが、幼い息子をこのまま保育園に預けていいものだろうか…と、悩みました」

 復帰日は、すでに数週間後に迫っていた。新しい部署も、ミッションもほぼ決まり、久々の仕事に正直ワクワクもしていた。しかし、数日間悩んだ末に、橋本さんは妻に「このまま退職して、育児に専念しようと思う」と打ち明ける。


(写真はイメージ、記事内容とは関係ありません)

 最新設備を整えている保育園でも、一人ひとりに目が行き届かないと分かって不安を覚えたこと、不安な気持ちを抱えたまま無理に保育園に預けるぐらいなら、退職して自分の手で息子を育て上げたいと思ったこと…今の気持ちをストレートに伝えたところ、妻は「もろ手を挙げて大賛成」してくれたという。

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