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国際条約「子どもの権利条約」の視点から、日本の保育と学びを捉え直す

2014年初春、「日経ウーマノミクス・プロジェクト」新渡戸文化学園(東京都中野区)を会場に「キャリアマザーフォーラム」(協賛:アルビオン、東京ソワール)というイベントを開催しました。「“男社会の最後の牙城”テレビ現場にもいい兆し」「ダラダラ出勤して夕方元気になる、では困るんです」に続くルポ第3弾。

同イベントで日本総合研究所・調査部主任研究員・池本美香さん(8歳女児と、3歳男児のママ)と放課後NPOアフタースクール代表理事・平岩国泰さん(9歳女児と、5歳男児のパパ)により、「子どもと学びは今」というテーマの対談が行われました。ママやパパが「子どもの保育と学び」を考え直す上でつい忘れてしまいがちな「子どもの視点」に立ち、多くの問題が提起されました。今回のテーマは「子どもの権利」の視点に立って考える、海外の先進的保育事例です。池本さんによる講演のダイジェストをお届けします。

まず、知ってほしいのは国際的に定められている「子どもの権利」


キャリアマザーフォーラム会場にて。左が平岩国泰さん、右が池本美香さん

 乳幼児における子ども達の保育と学びについて、海外の事例を紹介しながら話をしていきたいと思います。まず、皆さんに伝えたいのは「子どもの権利」という概念です。子どもにも人権があることを認めたうえで、国や大人達が子どもの人権に配慮する、という考え方で、1989年11月20日、国際連合により「子どもの権利条約」が採択されました

 諸外国ではこの考えに基づき、様々な制度の設計や施設の運営がなされています。日本も1994年にこの条約に批准したため、本来、国内において「子どもの権利」が保障されてしかるべきです。でも、残念ながら「子どもの権利」が日常的な話題に上ることがほとんどないのが日本の現状です。

 日本ユニセフ協会のホームページでは国連「子どもの権利条約」が掲載されており、以下の4つの柱が掲げられています。

【子どもの権利条約の4大柱】
1. 生きる権利  2. 守られる権利  3. 育つ権利  4. 参加する権利

 この4つの柱をご存じない方も多いのではないでしょうか。それはこうした権利条約を守っているかどうかを監視する機関が日本にはないからだと思われます。国連ではこの権利が守られているかどうかをチェックする機関が必要だとしており、ノルウェーを筆頭に諸外国では子どもの権利条約の観点から、政策のあり方を監視するオンブズマンやコミッショナーが存在します。お隣の韓国も2006年にオンブズマンを設置しています。

 こうした機関があると、どういう動きが起きるのか、その一つの例をお話しします。

 下記のグラフはノルウェー、韓国、日本における、3歳未満の子ども達の保育園就園率を比較したグラフです。

【3歳未満の子どもにも、公的な保育所に通う権利を保障する動きを示すグラフ】

 日本では3歳未満の子どもは親が働いていないと認可保育所に預けることができません。一方、ノルウェー、韓国の両国では親の就業のいかんにかかわらず、子どもの学ぶ権利は生まれてすぐから生じると見なされ、3歳未満の乳幼児の誰もが保育園に通える制度が整備されていきました。子どもの学ぶ権利の視点に立った活動に比例して、就園率が上がっていることが読み取れます。

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2014年春、日経「キャリアマザー・フォーラム」リポート!

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