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宋美玄 「出生前診断」の目的を正しく理解する

検査は赤ちゃんを前向きな気持ちとよりよい体制で迎え入れるためのツール

 妊娠9カ月になりました、妊婦ライターの平山ゆりのです。

 私が初めての妊娠・出産で不安なことや気になることを識者に相談に行き、正しい知識を身に付けようというのがこの連載。第2回では産婦人科医・宋美玄(そん・みひょん)先生に「病産院を選ぶ際のポイント」について聞きました(第1回「宋美玄さんに聞く、働く女性の出産、ここに注意」第2回「宋美玄 産院は「最悪の事態」を想定して選ぶ」)。

 3回目となる今回のテーマは「出生前診断」。出生前診断とは、おなかの赤ちゃんに先天的な病気や障害があるかどうかを判断する検査のことで、いくつかの方法があります。検査で異常があった際は人工妊娠中絶という選択もあることに、「赤ちゃんの命の選別を親であってもしていいのか」などとネガティブに語られることも少なくありません。とはいえ、妊娠中は「おなかの子は健康に育っているかな」と誰しも不安だし、健康な赤ちゃんを産みたいというのは当然の願いだと思います。

 答えのない難しい問題をはらんでいるからこそ、きちんと知っておきたい。今回も宋美玄先生にお話を伺いました。

宋美玄(そん・みひょん):産婦人科専門医、性科学者。1976年、兵庫県神戸市生まれ。2001年に大阪大学医学部を卒業、大阪大学産婦人科に入局。周産期医療を中心に産婦人科医療に携わる。07年、川崎医科大学産婦人科講師に就任。University College Of London Hospitalに留学し胎児超音波を学ぶ。12年1月に第1子を出産。『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』(ブックマン社)、『女医が教えるこれでいいのだ! 妊娠・出産』(ポプラ社)、『産婦人科医ママの妊娠・出産パーフェクトBOOK』(メタモル出版)など、女性の性、妊娠、出産について積極的な啓蒙活動に励んでいる。

エコー検査は赤ちゃんの顔を見るためのものではない

――今回は「出生前診断」について伺いたいです。

宋美玄(以下、宋) 昨年4月にスタートした「新型出生前診断」(後述)が大きく報道されるようになってから、多くの人が「出生前診断」=「赤ちゃんがダウン症をはじめとした染色体異常を持っているかどうか調べる」=「赤ちゃんの命の選択」だと捉えているように思いますが、違うんです。出生前診断の範疇はもっと広い。

 一般の妊婦健診で行う超音波検査(エコー検査)も、出生前診断に含まれます。妊婦健診でのエコー検査は、赤ちゃんの性別が分かったり、顔が見えたり、最新の4Dエコーなら赤ちゃんの表情が見えたり、妊婦さんにとっては最大のお楽しみだと思います。

 でも本来、エコーは赤ちゃんの顔を見るためのものではありません。

 赤ちゃんの発育をチェックしたり、赤ちゃんの身体の構造に異常がないか、羊水やへその緒、胎盤に異常がないかなどをチェックしたりするためにエコー検査はあります。機械の性能やエコーをする人の技量などにもよりますが、細かいものがたくさん見えるんです。

 つまり、妊婦さんにとっては妊婦健診のお楽しみのつもりかもしれませんが、「赤ちゃんに異常があります」と言われかねない検査でもあるのです。

 ですから、出生前診断とは、生まれてくる赤ちゃんにできる限りの対応をするために情報を集めることだと考えてください。

比較的簡単に受けられる「血清マーカー検査」

――出生前診断には、どういった検査があるんでしょう?

 受けられる出生前診断の種類や数は施設ごとに違います。妊婦健診を受けている産院ですべて受けられるわけではないことも多いので、その場合は掛かり付け医に検査や遺伝カウンセリングが可能な施設を紹介してもらうか、自分で探して受診することになります。

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