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3世代の信頼を勝ち取る遊び道具のプロ、創業35年ボーネルンドの秘密(前編)


ボーネルンド本店(東京・原宿)

 コロコロとビー玉が変調的に転がる木製迷路、ピタッとくっつけて自在に立体を組み立てられる図形パズル―――。電動でも人気キャラクターでもないのに、子どもも大人も自然と引き寄せられてしまう遊具が並ぶ専門店「ボーネルンド」。この店を訪れたことがあるDUAL読者は多いだろう。

 このボーネルンド、実は日本生まれの企業だ。またボールプールや巨大トランポリンがそろった室内遊び場「キドキド」も運営している。ボーネルンドは創業から35年たった現在も成長を続け、今では全国に専門店93店舗、室内遊び場20カ所を展開するまでに至っている。

「子どもたちにとって遊びは生活のすべて」という社是を掲げ、「遊びを通じて子どもの健やかな成長に寄与する」ことが目的だというボーネルンドは、なぜここまで成長を遂げたのか、また人気を集める理由は何なのか、取締役兼広報室室長の村上裕子さんに聞いた。

デンマークの公園遊具に衝撃を受けて創業

――「ボーネルンド」も「キドキド」も利用したことはありましたが、海外の企業なのかと思っていました。どのようにスタートした企業なのでしょうか?


取締役兼広報室室長の村上裕子さん。販売促進課長、販促・顧客管理部次長や社長室・企画部次長などを経て現職

村上裕子さん(以下、村上) 創業は1979年、当時、商社に勤めていた現在の会長、中西将之氏が会社を辞めて起業したのが、ボーネルンドの前身となる大型遊具の輸入会社です。

 「ボーネルンド」とは、デンマーク語で“ボーネ=森”“ルンド=子ども”から来ていますが、商社時代に頻繁に訪れていたデンマークで、子どもたちが置かれた環境と日本との違いに衝撃を受けたのがきっかけです。

――環境の違いというと、どういうことでしょうか。

村上 遊び環境の違いです。特に印象的だったのが、公園の景色だったそうです。

 1970年代当時の日本の公園は、銀色の鉄パイプなどでできたジャングルジムや鉄棒、滑り台など全体的にグレーで硬い遊具が中心でした。一方、デンマークでは色が鮮やかで、形も直線だけではなく曲がりくねっていたり、ロープが使われていたりと、さまざまな工夫がありました。すべり台も、日本のものは滑面が一直線であるのに対して、デンマークのものは着地部分が緩やかになっていて、降りると自然と足が出て立ち上がれるように工夫されています。

 デンマークのこうした遊具はすべて、子どもの年齢に応じた成長や発達段階での体の動きなどを研究して作られていたんです。それも、その年齢の子どもができることだけでなく、“やりたい動き”という能動的な意欲も汲み取って作られていた。例えば、大型遊具に使われている色は、子どもがクレヨンでよく使っている色を調査して選ばれています。遊びに夢中になるとどうしても危機回避が難しくなる小さな子どもでも、視覚的に認識しやすい色にしているんですね。

 これは子どもの遊びをどれだけ大切にしているかという考えの違いの表れだと言えます。日本は大人からの目線で遊具を用意し、デンマークは子どもが何をしたいかという子ども本意で考えられている。それは遊具だけでなく、家庭内のおもちゃも同様でした。


デンマークの公園にあるカラフルな大型遊具

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