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小島慶子 「ワークライフバランス大嫌い」の方へ

「私には私のバランスがある」と胸を張っていい。ひとさまを納得させるためにあるのではないから。

 「ワークライフバランスって言葉が大嫌い!」という女性に立て続けに出会った。ひと月の間に3人も。働き方や女性のキャリアプランについて、いずれも専門家の立場にある人たちだ。
 「バランスなんてとろうとしたらいっそう追いつめられる」「仕事と家事・育児のバランスなんてとれるわけがない。やったことがない人の理屈だ」と彼女たちは言う。私はとてもびっくりした。

 ん? あれって、やじろべえが平衡を保つみたいにどっちも完璧にやれっていう意味だっけ? 人それぞれに仕事と生活の割合を自由に変えて、働き方をその時々でカスタマイズできる世の中にしようってことじゃなかったかな・・・

両立のハードルが上がりまくってしまう!?

 調べてみた。内閣府のサイトの『仕事と生活の調和の実現に向けて』のなかにもワークライフバランスっていう言葉の定義がいくつか載っているけど、どう読んでも「どっちも完璧にやれ」とは書いてない。滅私奉公で生活をないがしろにするような働き方ではもう社会が持たないから、そのときそのとき、例えば育児や介護との両立や、ゆとりのある生活時間の確保のために働き方を変えられるような、柔軟で多様な働き方を実現する社会に…とある。私もそう理解してきたし、自分でも与えられた条件の中で最大限それを工夫してきた。会社員のころには、労働組合で副委員長をしながら制度作りもした。

 ところが彼女たちによると、ワークライフバランスっていう言葉は「仕事も生活も完全に調和するよう工夫して、どちらも充実させること」っていう意味で、そんなことを提唱したら、仕事と生活の両立のハードルがかえって上がるだけだという。だから「できるわけない」と。

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