スマホ版サイトを見る

働くママ&パパに役立つノウハウ情報サイト

日経DUAL

千代田区長「保育に欠ける」という言葉が気に入らない

14年間で年少人口が41.9%も増加。待機児童数の少なさや医療費無料化などが魅力(上)

共働き世帯にとって保育園や学童の運営など、子育て支援を担う自治体は頼りになる存在であってほしいもの。このたび日経DUALでは、読者に代わって、自治体の首長への突撃インタビューを開始しました。最初は東京23区に取材を依頼し、区長に質問をぶつけます。

今回は千代田区。区長として4期目の石川雅己氏は14年の長きにわたり、区政に携わってきました。特筆すべきは石川氏の就任後の、区内人口の急増加。就任前の2000年度は3万9297人でしたが、2014年度は5万4160人に増加しています(増加率37.8%)。なかでも年少層である0~14歳は4480人から6360人に増加しています(増加率41.9%)。数字の推移から読み取れるのは子育て世帯の流入による区の若返り。都心3区(千代田区・港区・中央区)の出生率は23区の平均を上回っているというデータもあるように、子育て世帯が「住みたい」と思わせる背景となった区の施策について伺いました。

石川雅己 区長

1941年文京区小石川生まれ。東京都立大学法経学部卒業後。1963年、東京都庁入庁。1975~80年千代田区役所企画課長。その後、東京都港湾局長、東京都福祉局長、首都高速道路公団理事を経て、2001年、千代田区長に就任。以後、4期にわたり区長を務め、現在に至る。

子どもの視点で考えた結果、独自の「こども園」設立に至った


石川雅巳・千代田区長

DUAL編集部 幅広い世帯の人に「住みたい」と思わせるまちづくりのために実施した施策の中で、特に共働き世帯に向けたものについて教えてください。

石川区長(以下、敬称略) 「将来に向けて希望の持てる社会づくり」をスローガンに子育て世帯に向けた施策に力を入れてきました。ですが、少子化対策は行政が具体的な施策を実行したからと言ってすぐに効果が上がり、簡単に解消できるような問題ではないと思っています。

 人口消滅一歩手前とまで言われた千代田区でしたが、単に人口を増やすことが第一の目的ではありません。住みやすく、暮らしやすい町にするためには何よりも先に、区民が抱える「将来への不安感」を払拭したい。まず、その願いがありました。そのためにできることをやっていこう、と。

 例えば、「子どもを預かってもらえれば、就職できるのに」「子どもを預ける場所があれば仕事やパートを辞めずに済むのに」「きょうだいが別々の保育園では困る」という区民の方々からの声にお応えするために、保育園の増設や待機児童の解消に取り組んできました。

 2002年には全国に先駆けて、保育園と幼稚園の壁を無くした就学前施設である「こども園」を独自に設立し、保護者の就労形態にかかわらず、「保育を必要とする」0歳児から5歳児までを受け入れてきました。当時から私の中には常々、保育園と幼稚園の壁を破りたいという思いがあったんです。

―― 区長が考える、保育園と幼稚園の壁を具体的に言うと何を指すのでしょうか。

石川 保育園は厚生労働省、幼稚園は文部科学省が担当していますが、この区別は行政の都合による制度の縦割りの象徴にすぎません。幼稚園に入園した子どものお母さんが後になって働くようになった場合は、「保育に欠ける」という理由から途中で保育園を探すというケースが生まれてしまう。これは親の都合であって、子どもの視点から見れば、好ましくないのです。0歳から5歳までの乳幼児期は子どもにとって大切な時期です。一貫した環境下で友達や教育に囲まれることが望ましいと私は考えます。そもそも「保育に欠ける」という言葉自体が気に入らない(笑)。どの子どもも等しく「保育を必要とする」はずなんです。

次ページ 幼保一体化は世界の潮流 日本はかなり...

無料会員登録すると続きをご覧いただけます。

日経DUALの最新記事やイベント開催情報などをお知らせするメールマガジン「日経DUALメール」をご購読いただけます。

連載バックナンバー

突撃!自治体・首長インタビュー

CLOSE UP PR

DUAL Selection-PR-

「子育て・教育」ランキング

ピックアップ

-PR-

注目キーワード