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冬、親子で楽しみたい舞台2:文部省唱歌の音楽劇

「子ども時代の観劇は、大人になってから観たものよりずっと心に残ります」──『瀧廉太郎の友人、と知人とその他の諸々』原田優一さん、和音美桜さん

1月下旬、親子観劇にぴったりの舞台が2本登場します。日本昔話をダンスで表現する『日本昔ばなしのダンス』(彩の国さいたま芸術劇場)と、明治の作曲家、瀧廉太郎の青春を描いた音楽劇『瀧廉太郎の友人、と知人とその他の諸々』(草月ホール)。どちらも以前上演され、好評に応えての再演です。これらの舞台で、作り手側は親子にどんな点を楽しんでもらいたいと考えているのでしょうか。前回(「親子で楽しみたい舞台1:日本昔話をダンスで表現」)、お話を聞いた『日本昔ばなしのダンス』の振付家・近藤良平に続き、今回、訪ねたのは『瀧廉太郎〜』の出演者・原田優一さん、和音美桜さん。子役時代からミュージカルに出演していた原田さん、宝塚出身の和音さんに「文部省唱歌の音楽劇」の楽しさや、子どもの頃の観劇体験について、お話を聞きました。


(『瀧廉太郎の友人、と知人とその他の諸々』昨年の公演より)

『荒城の月』『花』『鳩ぽっぽ』など、明治時代に数々の唱歌を作曲し、近代音楽の礎となった瀧廉太郎。23歳で結核で早逝した彼には、作曲を巡ってこんな秘話があった(のかもしれない)……。そんな仮説をもとに、ドイツ留学中の彼と友人たちの交流を描いた音楽劇が『瀧廉太郎の友人、と知人とその他の諸々』(小学生以上入場可、1月29日昼公演は2階席に限り3歳以上可)だ。若者たちの希望と絶望、熱い友情を、美しい歌声で彩りつつ描いた舞台は14年の初演で好評を博し、早々に再演が決定。初演にも出演し、ふだんは『レ・ミゼラブル』等の大作ミュージカルで活躍している原田優一さん、和音美桜さんに本作、そして唱歌の魅力をうかがった。

原田優一(はらだ・ゆういち)
埼玉県生まれ。小学3年で劇団に入り、『レ・ミゼラブル』『サウンド・オブ・ミュージック』等のミュージカルやテレビドラマで天才子役ぶりを発揮。成人後も『ミス・サイゴン』『レ・ミゼラブル』などのミュージカルに出演するほか、『bare』等で演出家としても活躍している。

和音美桜(かずね・みおう)
大阪府生まれ。01年に宝塚歌劇団に入団し、宙組娘役として活躍。抜群の歌唱力で知られ、『殉情』ではヒロインの春琴を演じた。08年の退団後は『三銃士』『レ・ミゼラブル』『レディ・ベス』などに出演している。


撮影:松島まり乃

若者たちが“誠実”に生きた時代の、切ない青春ドラマ

——今回の舞台で、お二人は瀧廉太郎を巡る、実在の人物を演じています。

原田 はい、僕が演じる岡野貞一さんは、瀧さんより一つ年上ですが、東京音楽学校(今の東京芸術大学)の同級生。実際に作った曲としては『ふるさと』などがあって、彼もなかなかいい曲を作っているんですよ(笑)。本作でのキャラクターとしては、不器用だけど何に対しても一生懸命、熱くて誠実な人物です。

和音 私が演じるのは幸田幸といって、日本で初めてドイツに音楽留学したヴァイオリニスト。瀧さんとは旧知の仲です。本作では芸術家としてリスペクトしつつも、ひそかに彼のことを……という役どころ。再演にあたって、今回は人を大切に思う気持ちをより深めて演じられたらと思っています。

——登場人物は全部で6人ですが、いわゆる“悪人”のいない物語で、コメディ・タッチの部分もありつつ最後にぐっとくるものがある。小学生くらいの子どもが観ても素直に感動できるお話ですね。


(『瀧廉太郎の友人、と知人とその他の諸々』昨年の公演より)

原田 ええ、少し昔の日本人たちが音楽に対しても人間関係についても、どれだけ誠実に向き合っていたかを、ぜひご覧いただきたいです。瀧廉太郎の出てくる以前、日本ではドイツなどに比べるとあまり音楽が人々にとって身近なものではなかったらしく、瀧や岡野は日本の音楽の在り方を変えた人たちだと言われています。その背景には、こんなにもひたむきで切ないドラマがあったのか…と感じながら観ていただけたら嬉しいです。

——1901年というずいぶん前の物語ですが、台詞も時代劇のような文語ではなく、口語体で親しみやすいです。

原田 気持ちをダイレクトに表現したり、繊細な心の動きや人間関係をより濃く描くために口語体になっていますが、その上で美しい言葉が選ばれている台本です。

和音 今の日本語は当時の言葉と比べると、使い方が雑になっているだけで、実は丁寧に話せばそれほど違うものではなかったんだなあと分かります。

次ページ 日本人の心に響く“唱歌”の魅力を再発...

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