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生活・家事

三井不動産レジ社長、働き方で住宅づくりは変わる

「オフィスにこたつ?」 情報共有空間が社員の発想を変える

コミュニティがマンションづくりのキーワードに

──働き方のプラットフォームを刷新することは、住まいづくりにも影響してくることでしょうか。

藤林 私達はグループ会社がショッピングセンターやアウトレットモール、ホテルなどの商業施設を運営しており、人々の消費行動が変化してきていることを日々感じています。同じことは家選びについても当てはまります。住宅は多くの人が一生に1~2回しかしない買い物で、賃貸住宅でも何年かに1回しか選ぶ機会はありません。かといって、家選びが普段の行動に影響を受けないということはないでしょう。人々の消費行動が家選びの意思決定にどのように影響するのか、それを検証することは住宅のつくり方にも影響することなのです。

 検証を続けていくなかで、キーワードとして浮かび上がってきているのが「コミュニティ」です。コミュニティはマンションづくりだけでなく、日本の社会全体でも大きなテーマになっていると言えます。昨年の11月にはミーティングやワークショップなどを通じて、マンションにおけるコミュニティの可能性や未来について語り合うシンポジウムを開催しました。住宅会社としてはユニークなイベントで、それ自体がマンションの販売につながるわけではありません。しかし会社として長期にわたって住まいや暮らしと向き合うために、人々がどのように情報を収集してどのように考え、リアルとバーチャルをどう融合させるのか、といったことを知る必要があるのです。忠臣蔵の堀部安兵衛を題材としたテレビCMや、昨年夏に実施した未来の住まいを考えるイベント「2020 ふつうの家展」なども同様の観点によるものです。

 社内組織に関しては、2年ほど前に市場開発部という組織を立ち上げました。それまでは新しいハードを開発する商品企画やソフトサービスを企画する部署と、顧客とのコミュニケーションなど企業情報の発信を担当するブランドマネジメントの部署が分かれていましたが、この2つの部署を1つに統合したのです。今回のマンション・コミュニティに関するイベント開催など、新しい組織による取り組みの成果も少しずつ現れています。今後はこれらの成果をどう生かしていくのかを、社内にも発信していく考えです。

湾岸エリアで地域コミュニティの活性化に取り組む

──コミュニティがポイントとなる住まいづくりとはどういうものなのか、具体的に教えていただけますか。

藤林 住宅におけるコミュニティには3つあります。1つ目は住戸内での家族間を中心としたコミュニティ。2つ目は何十人、何百人の世帯が集まる集合住宅の中での住民同士のコミュニティ。3つ目は徒歩や自転車で行ける範囲の周辺エリア内での地域コミュニティです。近年では特に3つ目の周辺エリアを含めた地域コミュニティにプラスになるための施設やサービスを、どのようにマンション内に取り入れるのかが課題になりつつあります。

 その課題への一つのアプローチとして取り組んでいるのが、東京湾岸エリアの活性化を目的とした「WANGAN ACTION」プロジェクトです。例えば2013年9月から定期的に開催している「太陽のマルシェ」には毎回100店舗以上の出店があり、1年間で延べ約20万人が参加しました。参加者の約4割は地元以外の人なので、湾岸エリアを知ってもらうきっかけにもなっているようです。

 その他にもフットボールパークやライブハウス、バレエ複合施設であるチャコットの「ダンスキューブ勝どき」などを設置しました。いずれも地元だけでなく他のエリアからの来客が多く、マンションを超えた住民同士のコミュニティの場になっています。昨年9月には国際的なマルチスポーツフェスティバルである「ザ・コーポレートゲームズ 東京 2014」を開催し、約6000名の人が参加し、多くの方が応援に来てくれました。なかには湾岸エリアが初めてで、「住んでいると楽しそう」と感じてくれた人も多かったようです。こうした地域コミュニティの活性化には、地元の商店街や自治体も興味を示し、協力や応援をしてくれるケースが増えています。


「MIFA Football Park」(写真左)は2014年6月に開設した。写真右がバレエの複合施設として同11月にオープンした「ダンスキューブ勝どき」

 湾岸エリアでは今後も住宅の開発が進みますが、住む場所だけでなく文化やスポーツ、音楽など、暮らしに潤いを感じられる施設も増えていくものと期待しています。都心からの距離が近いため、欲しいものは何でも都心に行けば手に入りますが、湾岸エリアそのものが暮らしを楽しんだり、新しいことが学べたりする街になってほしい。それによって湾岸エリアの街としての価値も高まっていくことになるでしょう。

 また湾岸エリア以外でも、同様の取り組みを広げていきたいと考えています。例えば柏の葉キャンパスでは以前から定期的にマルシェを開催しているほか、農業体験や子ども向けの就業体験のイベントなどを開催しています。これらの活動を通じて、地域コミュニティの活性化には、暮らしを豊かにする施設やイベントが重要であることを改めて理解できました。

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