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中川李枝子 みどり保育園で園長がこだわったこと

子育て・教育

中川李枝子 みどり保育園で園長がこだわったこと

毎日が同じリズムでも子どもは日々成長するから退屈するヒマなんてない

前回(「何もないから素敵だったみどり保育園」)に続いて、読者からの質問に答えて、中川李枝子さんが保育士を務めていたみどり保育園のお話をうかがいます。話を聞いているうちに見えてきたのは、園長先生の自由な発想と信念でした。

ブランコやすべり台はなまけ者を作る!?

──みどり保育園のお話の後編では、みどり保育園での保育について聞かせてください。みどり保育園はずっと無認可の保育園だったそうですが。

 認可を取ると、いろいろと面倒な決まりがあるんですよ。「遊具の指定」とか。

 みどり保育園にはブランコも滑り台もありません。余計な遊具は必要ない、というのが天谷保子園長の考えでした。「ブランコやすべり台は、なまけ者を作る!」と。ブランコは座って揺れているだけだし、すべり台も登ってすべるだけ。何も考えずに座っていればできるから、“なまけ者になる”そうです(笑)。

 その代わり、天谷先生は庭半分を砂場に作り替えました。広い砂場で、子どもたちは裸足で遊んでいましたね。本格的なプールも作りました。あとは足腰を鍛えるのに、登り棒と網を組み合わせた遊具を置きました。

 知ってます? 砂場を維持するのって大変なんですよ。

──他の遊具と違って、砂場は壊れたりしなさそうですが。

 子どもたちが遊んでいると、砂ってポケットや靴の中に入ったりするでしょう。そして、そのまま家に帰っちゃう。そうしているうちに、どんどん砂場の砂が減ってしまうんです。だから、みんなに「砂を家に持って帰らないで」って(笑)。

 

 お母さんもポケットに砂が入っていると洗濯が大変でしょうが、保育園だって困るんです。そこで、お母さん達には子どもが着るスモックにポケットをつけないようお願いした(笑)。それでも砂が減るので見かねた建設会社に勤めている園児のお父さんが、ダンプカー1台分の砂をプレゼントしてくださって助かりました。

 でもそれより何より、自由に走り回れる遊び場の確保です。近くに300坪の空き地があったんです。ある大企業所有の土地でした。天谷先生が本社の社長さんのところへ直接伺って、自由に使わせてもらえるようになりました。天谷先生の行動力は見上げたものです。何事も子どものために良かれとなれば、即実行するのです。

 空き地があれば、おもちゃなんか必要ない。子どもって、広い場所が大好き。毎朝子どもたちと走るんです。ただ走るの。ちょうどクロっていう犬がいたので、犬も一緒に走りました。「ほら、クロちゃんに負けないで!」なんて声をかけながら。子どもって、走るのが好きなのよね。意味もなく走り出す。どの子も自分が一番速いと自信満々。「一等!」と叫びながら気のすむまで走ると、落ちついてきます。

 とにかく、子どもは外で遊ぶのが大好き。遊び場がどういうものかは、保育園を選ぶときに大事なことと思います。

──外で遊ぶのは、中川さんも一緒になってしていたのですか?

 

 もちろん。天谷先生と私と、もう1人の若い先生は、体育科を卒業したスポーツウーマンでした。体を動かすことは何でも得意で、特に陸上で中学生短距離記録保持の経歴があったから、走るときの格好がとても美しくてね。子どもたちへの教え方は、口より先に体が動いて子どもをパッと惹きつける。魅力的な先生でした。

 ほかにも、特にお願いしたのは音楽と絵の専門家。音楽は私の友人で幼児の音感教育の先生・熊谷隆子さんに、絵は美術家のうちの夫(中川さんのご主人は画家・中川宗弥さん)に、年長、年中クラスの子たちだけ週1度みてもらいました。

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