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日本独特の「補欠」が子どもをダメにする

セルジオ越後が斬る「日本の親とスポーツ教育」【2】──日本サッカーが強くならない一因は、学校の部活動を中心とした登録制度にある

 サッカー解説者として、多くのサッカーファンに愛され続けているセルジオ越後さん。延べ60万人以上の子どもにサッカーの楽しさを伝え続けてきた「さわやかサッカー教室」の主催者としても有名だ。

 このセルジオさんに「スポーツを通した親子の接し方」について辛口の話を伺いました。第1回の「セルジオ越後が叱る『日本の親は遊び心がない!』」に続く第2回は、日本にしかない「補欠」という制度が、子どもやスポーツをダメにするという話です。


1945年7月28日 ブラジル・サンパウロ市生まれ(日系2世)。18歳でサンパウロの名門クラブ「コリンチャンス」とプロ契約。 非凡な個人技と俊足を生かした右ウイングとして活躍し、ブラジル代表候補にも選ばれる。1972年来日。藤和不動産サッカー部(現:湘南ベルマーレ)でゲームメーカーとして貢献。 魔術師のようなテクニックと戦術眼で日本のサッカーファンを魅了した。来日当時から少年サッカーの指導にも熱心で、1978年より(財)日本サッカー協会公認「さわやかサッカー教室」(現在:アクエリアスサッカークリニック)の認定指導員として全国各地で青少年のサッカー指導にあたる。2006年には文部科学省生涯スポーツ功労者として表彰される。 2013年「日本におけるサッカーの普及」を評価され外務大臣表彰受賞

主な内容
●サッカーは遊びと一緒、反則ばかりしてもいいの
●練習するのは、サッカーがうまくなってからでいい
●補欠という制度は最低で、あってはならないものだ
●1つのチームに縛られずに試合に出られるようにならないと、日本サッカーは強くならない
●日本のスポーツ環境は世界基準とかけ離れている

サッカーは遊びと一緒、反則ばかりしてもいいの

── セルジオさんが、「さわやかサッカー教室」で子どもたちに一番伝えたいと思ってきたことは、何ですか?

セルジオ越後さん(以下、敬称略) もちろん、「サッカーって面白い!」っていうことだね。みんなでやったら面白いよねって。ただそれだけ。

 サッカーっていうのは、何度も言うけれど、遊びと一緒なの。それは、サッカーだけじゃなくて、すべてのスポーツがそう。だから、時にはイタズラもあっていいんだよね。僕が教室でのミニゲーム中にわざと反則行為をすると、たちまち僕がヒール役になって、子どもたちの敵になるわけ(笑)。

 僕がハンドしたり、相手のユニフォーム引っ張ったりとか、ゲーム中にやるじゃない。すると、別のチームの子どもたちまで一緒になって、みんなで僕をやっつけようと一丸となるのよ。「引くな、引くな! もっと行け、行け!」って、僕1人を600人くらいの子どもたちが1つになって倒そうと盛り上がる。とにかく、僕はズルいことをたくさんするのね。

 それで、ミニゲームが終わったところでみんなに聞くの。「オレ、ズルいと思った人!」って。すると、みんなが「はーい!」って手を挙げる。それでも、「もう1回やりたい人!」って聞くと、みんなが「はーい!」って元気に手を挙げる(笑)。

 僕は反則ばかりやるのね。もちろん、ちゃんとした試合ではやってはいけないことばかりだけど、遊びとしてならいいの。子どもたちだってわかっているし、遊びとして楽しいでしょ? 楽しいから子どもたちはまた練習に来たくなる。それが好循環となって、遊びながらどんどん練習してうまくなるんだね。

── 楽しければ、子どもたちは上達するということですね。

セルジオ越後 楽しさを教えると、夢中になってくる。例えば、サッカー教室のなかでの遊びとしてよくやるのがジャンケン。「最初はグー!」ってなったときに、僕がパーを出す。すると、子どもは「きたない!」って言うの。「なんでだよ、じゃあもう1回ね」ってやると、子どもなりに考えて、大抵はチョキを出すよね。そこで僕がグーを出すと、もう1回だってなって、今度は後出しで大ブーイングになる。

 子どもは子どもなりに考えるの。とにかく遊びとして楽しければ、子どもは勝つまでやりたくなる。すると、もうズルい、ズルくないっていう問題じゃなくなってきて、どっちがズル賢いかの真剣勝負になってくるんだよね(笑)。

 そういうふうに、子どもっていうのは刺激することによってたくましくなっていくんだよ。だから、大人がルールでがんじがらめにする必要なんてないっていうことだね。これは、僕がブラジルで子どもの時、大人や年上の人たちと一緒にみんなでサッカーしながらやってた遊びなんだよね。

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