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尾木ママ 被害者がつらかったら、それは「いじめ」

一見すると「仲が良さそう」。注意深く見ないと、教師はいじめを把握できない

インターネットを活用した市場調査(ネットリサーチ)を行うマクロミルが、教育評論家の“尾木ママ”こと尾木直樹さんと共同で、「いじめの未然防止・早期発見を目的とするアンケートテンプレート」を作成しました。セルフ型アンケートツール「Questant(クエスタント)」の中で、2015年4月23日から提供を開始しています。「このテンプレートが、一つでも多くの悲惨ないじめの防止・早期発見につながればうれしく思います」と尾木ママ。「尾木ママ いじめは『感度が悪い集団』で起きる」に引き続き、このアンケートツールが生まれた背景と活用方法について、3月31日に行われた記者会見を取材しました。

2007年の新定義「被害者がつらいと感じたら、それはふざけではなく、いじめ」


尾木直樹さん

尾木直樹さん(以下、尾木) 文部科学省は、2007年から、いじめの定義を変えています。それより前は「自分より弱い者に対して一方的に、身体的、心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているもの」と定義していましたが、2007年以降は「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的・物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの」という表現になりました。

 主語が、いじめる側(加害者)から、いじめられる側(被害者)に変わっているのです。いじめられる子がつらいと感じるなら、加害者が「ふざけているだけ」と思っていても、それはいじめなんです。

 今回のアンケートにおける一番大事なポイントは、「いじめる子」「いじめられる子」「傍観している子」それぞれのいじめに対する感度を確認することです。

 また、いじめの発見はもちろん大事ですが、「一体いじめとは何だろう?」ということを子ども達に考えさせ、悩ませるきっかけをつくることも重要です。設問の中には故意に、いじめには当たらない事例も混ぜています。アンケートに回答する中で「これはふざけだろうか? それとも、いじめだろうか?」ということを、子ども達に迷いながら真剣に考えてほしいのです。

 このアンケートを年に2~3回実施すれば、子ども達のいじめに対する感度は確実に上がるでしょう。

 もし加害者であれば、アンケートに答えていくにつれて「自分はいじめをしていた」ということが分かります。自分自身がいじめをしていたことに気づき「先生に呼ばれたらどうしよう」と心配になって、正直に回答することができなくなる可能性もあるでしょう。それを防ぐために、アンケート実施の前には時間を取って、「このアンケートは誰かを非難したり、犯人捜しをするためのものではなく、皆で人権の問題や他者の心の痛みについて考えるためのものであること。だから、正直に自分と向き合い、内省的に取り組もう」ということなどを説明する必要があると思います。

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