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PTAが無くなったら、学校は本当に困るのか?

子育て・教育

PTAが無くなったら、学校は本当に困るのか?

川端裕人 PTA連載/ストップ自動入会PTA!(中)改革1年目に「新しいPTAを考える会」を発足

福里 「ミーティング」は、私とファシリテーター役の保護者と2人で進めています。何かの結論や方針を出す会議ではなく、まずは話しやすい雰囲気をつくることを目標にしています。“会議”といった堅苦しい雰囲気を無くすため、会議机は無くし、イスだけを扇状に配置したりして、工夫しています。

 実は、平成25年度の総会では、これまでの会則は保留扱いにしています。新しい会則作りもしなければなららいと思っていますが、まだまとまっていません。専門部などの箇所を削除したら内容がほとんど残らなくて(笑)。必要なのは名称と目的、会員資格の項目だけ。今までは用紙3枚くらいはあったのですが。

―― 3条で終わってしまう、と。

福里 3行で!(笑) 今後引き継いでいくことを考えると、会則を整備しておいたほうがいいのではないかとの意見もあります。今の状態は組織とも呼べない。役職は「会長」のみ。言ってみれば「会長」は「会の主宰者」です。これまでのような「役員会」ではなく、会員は誰でも気軽に参加できる雰囲気の会にするために、「ミーティング」と呼んでいます。

任意加入になって交流の場は減った。増やしたい人は、自主的に

―― 「PTAが無くなったら保護者の交流が無くなってしまう」と心配する人もいます。個人的経験から言っても、僕自身も、保護者同士の交流は、PTA活動の中での数少ない「よかったこと」です。今こうした状態になって、保護者の交流度合いは変わりましたか?

福里 交流が増えたか減ったかで言えば、減りました。学級役員といったものが無くなったわけですから、集まる理由が無くなってしまった。PTA学級委員が恒例行事として行なっていた「学級レク」や「学年レク」が無くなってしまったので。保護者が何か学級や学校に関わりたいと思ったら、自ら行動を起こさなければなりません。

―― 一方で、自分で考えて何かやろうと思った人が、何か始められる環境はあるのですか?

福里 あります。学級委員を決めないというのは、「学級にかかわってはいけない」ということではありません。実際、学級レクを企画し、開催した保護者の方がいます。1年生の保護者から、「1年間を通して学級での保護者との交流がほとんど無かった。次年度に向けて、保護者とのつながりをつくるためにも、学級レクと懇談会をやっていいですか」という相談がありました。私は「学級担任とよく話し合って進めてください」と回答しました。その保護者の方が、担任に相談したところ「うちにはPTAが無いですからね~」と言われたそうです(笑)。

―― 学級委員会が無いという意味ですかね(笑)。

福里 そうだと思います(笑)。そして、その保護者の方は担任や校長と相談して、見事に学級レクと懇談会を開催することができました。学級委員がいないので、学級に関われないと思い込んでいる人がいますが、実際は、そんなことは全くありません。これからは何か学級や学校に関わりたいと思う方は、遠慮せずに、どんどん自発的に行動を起こしてほしいと思います。もちろん担任としっかり相談して。

―― 何かをやりたい人に対して機会が開かれているのはとても大事なことですよね。

* 次回は、「PTAの保護者参加率が約1割でも、何の問題も無い」ことについて伺います。

(ライター/阿部祐子、撮影/河野哲舟)

川端裕人

川端裕人

1964年兵庫県生まれ。千葉県育ち。東京大学教養学部(科学史専攻)卒業後、日本テレビに入社。科学技術庁、気象庁などの担当記者として、宇宙開発、海洋科学、自然災害などの報道に関わる。97年退社。98年『夏のロケット』(文藝春秋)で小説家デビュー。小説やノンフィクションなど幅広く活躍する。2015年7月に『雲の王』が文庫化。2008年に『PTA再活用論―悩ましき現実を超えて―』(中央公論新社)を出版。子ども向けの書籍として、絵本『さんすううちゅうじん あらわる』『12月の夏休み──ケンタとミノリの冒険日記』『リョウ&ナオ』などがある。発起人として立ち上げたサイトに「素晴らしいPTAと修羅場らしいPTA」がある。2015年7月21日(火)にはTBSラジオ「荻上チキのSession22」に登場。「ここがヘンだよ、PTA!」と題してトークを展開。ポッドキャストはこちら。新刊は『天空の約束』(集英社)。メルマガ「秘密基地からハッシン!」を創刊。

連載バックナンバー

川端裕人の「PTAは変われるか!?」

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