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日経DUAL

子どもを産む前の「育休世代」のモヤモヤを聞いて!

(上)子どもがいなくても「管理職になっていくイメージが湧かない」

 こんにちは。女性活用ジャーナリスト・研究者の中野円佳です。昨年9月に『「育休世代」のジレンマ』という本を出版し、日経DUALでもインタビューを掲載していただきました。「育休世代」というのは、2000年代に入り、大企業の新卒採用に占める総合職女性の割合がかなり増えてきてから入社した世代のこと。1999年の男女雇用機会均等法の改正、2001年の育児・介護休業法の改正を経て育休などの制度もある程度整い、育休を取ること自体は「当たり前」になりつつある中、それでもモヤモヤしてしまう現状を本では描いています。
 本では主に「20代で出産した子育て中の育休世代女性」にスポットを当てましたが、この連載では「子どものいない育休世代の女性」「育休世代の夫や上司」「30~40代で出産した女性」「子育てを大幅に外部委託している女性」など、育休世代とその周辺にいる人達に幅広くスポットを当てて、彼らが抱えるジレンマを匿名の座談会形式でヒアリング、分析していきたいと思います。
 初回のテーマは 「子どもを産む前だってモヤモヤしています!」。上下2本立てでお送りします。

【中野円佳さんの過去のインタビュー記事】
第1回 バリキャリ女性が出産後に仕事を諦めるのはなぜ?
第2回 上司の「この仕事できる?」がワーママを追い詰める(有料会員限定記事)
第3回 「20代で産んで働く」新たなロールモデルを目指す(有料会員限定記事)

【座談会参加者プロフィール】
Aさん 私立大(商学部)2007年卒。大手金融機関の総合職に就職。社会人3年目で結婚。
Bさん 国立大(文学部)2007年卒。映画配給会社→ITベンチャー→人材会社→フリーに転職。
Cさん 私立大(法学部)卒後、国立大学院(文系)を2009年卒。政府系機関に就職。社会人3年目で結婚。
Dさん 国立大卒後、大学院(理系)を2008年卒。コンサルティング会社に就職後、同業界内で転職。社会人2年目で結婚。今年第一子を出産。

競争の仕組みが女性を遠ざける?

中野円佳さん(以下、敬称略) 今回のテーマは「子どもを産む前だってモヤモヤしています!」です。早速、皆さんの職場の状況と今の悩みを聞かせていただけますか。

Aさん(以下、敬称略) 総合職として就職した今の会社は、制度は整っています。育休を取りにくそうだとは思いません。ただ、入社7年目に役職が付くタイミングがあり、そこまで最短コースで行きたいと思って今まで頑張ってきたんですね。でも実際に昇格してみると、次のステップがさらに7年後にあって、結局それまでに子どもを欲しいと思えば、次の昇格が遅れてしまう。子どもを持つことを後回しにしてこれまで頑張ってきた意味が果たしてあったのか、どこまで頑張り続けるのかと、最近疑問に感じています。

Bさん(以下、敬称略) 私はこれまで3つの会社に転職しました。2番目のIT企業は労働時間が長く、朝4時まで働く職場でした。社員はほぼ男性。「同じようにやらねば」とは誰も言わなかったけど、ここで頑張っても最初から勝ち目は無いと感じました。子どもを持つうんぬんの前に自分の健康によくないと思い、残業時間が月20時間以内の仕事を探して次の人材会社に転職しました。子どもを産むことに対しては、私は他の人に比べて執着が薄いかもしれません。4月にフリーランスに転身し、今後の道を模索中です。

Cさん(以下、敬称略) 私の職場(政府系機関)は多くの女性が活躍していますが、その分、特別扱いもありません。結婚しても海外転勤はあるし、子連れ赴任も多い。駐在を経験してないと管理職にはなれません。私も結婚してすぐアジアに赴任になりました。その間、子どもを産むのは先送りしていて、今同級生などが2人目を産んだりしている中で、プレッシャーに感じている面もあります。夫は忙しくてなかなか家にいないのと、子どもを持つ時期などに対して女性ほど真剣に考えていないので、ちょっと温度差を感じています。

Dさん(以下、敬称略) 私の場合、最初に勤めた会社では子どもを持つイメージは無かったです。 社内競争がし烈で、いつ昇格したか、たった数カ月の差で序列ができるんですね。育休制度はありましたが、そのままいたら子どもは産まなかったと思います。転職した今の会社は比較的、中途採用が多いので産休・育休による1年のブランクは大したことない。とはいえ子どもをつくるには第一線を退く決断が必要で、人生の迷子になりました。転職して瞬時に妊娠するのは気が引けたので、1年半くらい経って評価が安定してから妊娠に至り、今育休中です。

――日本型雇用では、「遅い昇進」といって、同時期に入社した「同期」を長期間にわたり競争させることで従業のモチベーションを保ってきました。ただ、その枠組みを一律に女性に当てはめると、まだ結婚や出産をしていなくても「先々、負けること」が見えてしまう。育休などの制度よりもこうした「競争」の仕組みが、女性から就労継続や子どもを産むことを遠ざけている気がします。


女性活用ジャーナリスト・研究者の中野さん(左)

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中野円佳さん、私達だってモヤモヤしています!

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