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妻ががんで、子どもが生まれ、滑稽で愛おしい人生

映画『夫婦フーフー日記』原作者の清水浩司さんインタビュー(上)ヨメと息子、家族と友人、そして愛情の乱反射物語


自分達夫婦のブログが映画になるなんて想定外だった、とダンナこと清水浩司さん

 がんに侵されたヨメと闘病を支えるダンナ、病気発覚直後に生まれた息子のぺ~、そして彼らを取り巻く家族や友人との日々をつづった家族ドキュメントの「がんフーフー日記」(小学館刊)。シリアスなのにコミカル、笑ってしまうけれど泣けると話題を集めた本が、佐々木蔵之介さん、永作博美さん主演で『夫婦フーフー日記』として映画化されました。
 17年間友人だった2人が、共に37歳初婚で入籍したのは2009年3月。神奈川県・川崎に新居を構え、その1カ月後に妊娠が発覚。ところが、妊娠中の9月にヨメが直腸がんの告知を受けます。そして出産、闘病、別れ。当初、夫婦共通の友人達への「伝言板」代わりにつづられたダンナのブログは、多くの読者から共感を呼び、書籍化へ。そしてこのたび、シリアスな部分も、ネガティブな部分も、笑える部分もそのまま生かした映画として生まれ変わりました。これほどの広がりを見せたのは、闘病という過酷な現実の中にも、豊かな日常があることを感じさせてくれるからでしょう。人生の泣き笑いがギュッと凝縮されているのです。
 原作者である“川崎フーフ”のダンナこと清水浩司さんにインタビューし、2010年に他界したヨメの闘病や育児を通してもたらされた気づきなどについて伺いました。

あれよあれよという間に巻き込まれていった感覚

日経DUAL編集部 夫婦の備忘録と友人への伝言板を兼ねたブログから始まって、書籍の出版と来て、今度は映画化が実現しました。この流れ、広がりについて、率直にどう感じていますか。

清水浩司さん(以下、敬称略) 奇妙な状況としか言いようがないですね(笑)。比べるのもどうかと思うのですが、妻ががんだと分かってから、あれよあれよという間に巻き込まれるようにして、がんに初めて対応するのにいっぱいいっぱいだった日々に、何か近いものがあります。

 自分の意志や意図を超えたところで人生が進んでいくあたりが、似ているなと感じるんです。

 書いたものが映画になるのは、僕にとってもちろん初めての経験ですから、初めてのことを前にしてフーフー言っているのは、当時の日々と同じなんです。ここ数年、ずっとこんなふうに大きい流れに翻弄されて溺れそうになりながら、なんとか対応しているという感じです。

―― 自著を下敷きにした映画『夫婦フーフー日記』では、ダンナ役を佐々木蔵之介さんが演じています。

清水 映画の中では、過去を振り返るという設定で、自分達の結婚式を、ダンナ役の佐々木さんと幽霊になったヨメ役の永作さんが一緒に眺めるという場面がありまして、あのシーンの撮影に僕も立ち会っていたんです。自分達の結婚式を見ているダンナとヨメを、さらに僕が横から見ている。ある種、過去の自分を俯瞰しているような感じがあって、どれが現実でどれがフィクションか分からなくなることがありました。

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