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八塩圭子 シッター代、5時間1万円の重み

子育て・教育

八塩圭子 シッター代、5時間1万円の重み

わが子をお金と引き換えに他人に預ける――。心理的な壁、そして、経済的な壁を越えられずにいた私達夫婦だが……

他人に預けるのが不安で、これまでベビーシッターさんを避けてきた

 ベビーシッターさんを頼むか頼まないか。

 これはわが家にとって、子どもが産まれてから悩み続けてきた重大テーマだった。

 周りを見回せば、かなりの友人がシッターサービスを利用している。共働きで、夜や早朝など不規則な時間帯にも仕事に出なければいけないようなご夫婦。ちょっと子どもを見ていてくれるような身内が近くにいないため、食事や買い物などのお出かけのときにシッターさんにお願いしている友人など。皆、家庭の事情は様々だ。別に理由や事情が無くても、もちろんシッターさんにお願いしたっていいのだ。

 未就学児童を預ける場合、託児所や保育園、幼稚園、プレスクールなどと並んでシッターサービスがある。子どもの年齢や家庭の事情によって使い分ければいいとは思うのだが、シッターサービスの利用には様々な面で壁があるように感じる。少なくとも、私にとってはそうだ。

 一番大きいのは、心理的な壁。シッターさんとはいえ、他人は他人。

 自分の子どもを身内以外の他人に任せるのには、やっぱり抵抗がある。保育園やプレスクールなどは、複数の目がある開かれたスペースだが、家という密室に二人きりというのは、何かあったとしても分からない。思いも寄らないことが起こったとき、他人任せにした自分を責めずにいられるだろうか。などと、ネガティブシンキングに陥ってしまう。

 シッターさんという存在を身近に見てきていないというのもある。私自身、両親と姉、祖父、祖母という二世帯同居家族で育ち、母は専業主婦だった。たとえ母が出かけても祖父母はいたので、寂しい思いをしたことはなかったし、身内以外の人の手に委ねられた経験も無かった。あの時代は、それが普通だったのだろうが。時代は変わり、私も「基本的に子どもは母親が育て上げるべき」などという考えにとらわれているわけではないのだが、シッターさんを頼んだ経験が無いがゆえの不安感が拭えないでいた。

 友人を見れば、皆ごく自然にシッターさんにお願いしている。ほとんどが、個人的に紹介してもらった方のようだ。子連れで食事というときに、シッターさん同伴で来る場合もある。いいシッターさんは本当にいいらしく、子どももなつくし、色々教えてもらえて欠かせない存在のようだ。「じゃあ、いいシッターさんってどこを探せばいるの? シッター紹介サービスもあるみたいだけど、どこがいいの?」……。そこで新たな壁にぶつかってしまうのだ。

 そして、もう一つの壁は、経済的な壁。一体いくらかかるのか? もちろん安ければいいというものではない。シッターサービスを巡る不幸な事件も起きている中で、信頼できる人を適正な価格で雇うことは、実はものすごく難しいことなのではないか。

 このような様々な壁に阻まれ、乗り越えられないでいた。

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