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今井絵理子 聞こえないことは恥ずかしいことじゃない

子育て・教育

今井絵理子 聞こえないことは恥ずかしいことじゃない

【連載・第2回】補聴器も、人口内耳も使えない――。悩んだこともあったけど、手話が礼夢と私の希望に!

 私が、親として礼夢に対して「こういう人になってほしい」という思いが3つありました。それは、「ルールを守れる人になること」「自立した人になること」。そして、「いろんなコミュニケ—ションが取れる人になること」です。

 ルールを守るにはまずは家から……と、親子でいくつかのルールを決めました。「家に帰ったら必ず手洗いうがいをする」「ごはんが終わったら、お風呂に入る」みたいに。決めたルールは私も守ります。ルールを守らないと、私が礼夢に怒られますから(笑)。子どもは思った以上にちゃんと見てるんだなーと思います。「子どもに求める前に、まずは親から!」と、きちんとルールは守るようにしています。

 自立するためには、まずは「自分のことは自分で決められる子になってほしい」と思いました。幼稚園のときは、毎朝、私が洋服のコーディネートを何パターンか出し、自分で選ばせるようにしていました。買い物も同じ。礼夢のものを買うときは、まずは彼に選ばせる。そして、最終的にどれにするか一緒に決めています。

伝えるための色々なツールを渡して、道具を活用することを教えた

 そして、コミュニケーション。礼夢には「聞こえないことは恥ずかしいことじゃない」ことを知ってほしいし、聞こえなくても、伝える手段はたくさんあることを知ってほしかったから、早くからいろんなコミュニケーションツールを持たせていました。

 最初は紙に書いたメモ。彼が大好きな「ソフトクリーム」と書いたメモとお金を持って、近所のお店にお買い物に行かせました。

 小学3年生になると、電子メモパッドの「ブギーボード」を持たせました。何度も消したり書いたりできるので、これを持たせておけば、外出先で「トイレどこですか」と書いて店員さんに見せることもできます。文字を書く練習にもなって、これはよかったですね。

 そして今は、もっぱらiPhone! 礼夢には、4年生から持たせています。スマホを持たせる年齢としては早いかもしれませんが、それよりも、私はiPhoneの便利な機能を覚えて、外でのコミュニケーションに活用してほしかったんですね。中でも、FaceTime(ビデオ電話ソフト)は本当に便利です。例えば、礼夢はどこかで迷子になったとき、私に電話をかけてもどこにいるか説明ができませんが、FaceTimeなら顔を見ながら手話で話せるので、今、どこにいるかが分かりますし!

 最近、彼はiPhoneのメモに「トイレどこですか」「アイスください。バニラ」と、よく使う定型文をメモしておいて、活用しているみたいです。

 ちなみに、アプリのダウンロードは無料のものだけという約束です。パスワードは私が管理しているので、礼夢は勝手にダウンロードできません。もし300円のアプリがどうしても欲しいときは、貯金箱から300円を持って来てママに渡す、というルールです。

 これからは手話だけでなく、読唇術や口話法もまた学んで、彼のコミュニケーションの幅を広げてあげたいなと思っています。

 「大変ですね」とよく言われますが、私の子育ては、障がいの無い子の子育てと変わらないと思います。子育ては不安に思うことが多いけれど、それは障がいのある無しにかかわらずあるもの。

 焦らず、比べず、諦めず。親子で「楽しい」と「うれしい」をたくさん共有していけたらなと思っています。

(ライター/松田亜子、撮影/稲垣純也)

今井絵理子

今井絵理子

(いまい・えりこ)1983年生まれ。96年にSPEEDのメンバーとしてデビュー。20歳で結婚し、長男を出産。現在はSPEED、ソロと音楽活動、ライフワークとして全国の子ども達と親御さん達に笑顔を届けるイベントなどを行っている。
■オフィシャルブログ:http://ameblo.jp/eriko--imai/■Twitter:https://twitter.com/eriko_imai

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