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「育休退園」は産み控えが進み、少子化対策に逆行

子育て・教育

「育休退園」は産み控えが進み、少子化対策に逆行

少数ではあるが自治体ごとに実行 「怖くて産めない」心理につながる

 埼玉県所沢市で、保育園に子どもを通わせている保護者たちが「育休退園」の方針を取っている所沢市を相手に退園を差し止めするよう訴訟した。
 育休退園とは、下の子を出産し育休を取得した場合、上の子を退園させる(園児の年齢条件は自治体ごとに違う)という自治体独自の運営ルールだ。
 「不安で第2子を産めない」「育休期間が3年など、いつまでも家にいる母親より、すぐに働きに出なければならない母親を優先させるべき?」「待機児童数削減のための身勝手なルールではないか」など、さまざまな意見が出ている。そこで日経DUALでは人気連載『絶対保育園に入りたい!』の筆者、普光院亜紀さん(保育園を考える親の会代表)に育休退園について3つの質問をした。

Q1.そもそも、「育休中は退園」というルールを実施している自治体はどこですか?
各自治体ごとに条件や運用ルールが違い、厚労省が定める一括ルールはないのでしょうか。

 保育施策全般に言えることですが、国はさまざまな地域事情に配慮し、一定部分の自治体の裁量に任せています。

 子ども・子育て支援新制度で、国は「保育の必要性を認める場合」の要件に「育児休業取得時に、すでに保育を利用している子どもがいて継続利用が必要であること」などの新しい要件を加え、保育を利用できる人の範囲を広げることを示しました。育児休業中の継続利用については、従来から継続を認める自治体は多かったので、それを追認したといえます。

 しかし、国による自治体への新制度FAQでは、継続利用が必要な例として「次年度に小学校の入学を控えていたり、保護者の健康状態や子どもの発達上環境の変化が好ましくない」など具体的に示したため、それに該当しなければ継続利用を認めなくてもよいとも読める書きぶりになってしまいました。

 といっても、所沢市のように継続通園を今まで認めていたのに、認めないように変えた例はほかに聞いていません。「保育園を考える親の会」では、首都圏の主要市区と政令市を合わせた100の市区に、毎年保育施策に関する調査を行っています(調査冊子『100都市保育力充実度チェック』で発表)。2014年度の調査では、育休中の上の子は「原則退園」と回答した自治体は7市区のみでした。内訳は、

■上の子が3歳未満で退園
八千代市、平塚市、静岡市、堺市、熊本市の5市

■上の子が2歳未満で退園
鎌倉市の1市

■上の子が5歳未で満退
岡山市の1市

です。このうち、八千代市と鎌倉市は昨年度中に制度を改め、育休中の在園を認めることにしていますし、堺市は、規定を厳密に運用せず実際には継続利用ができているそうです。

 反対に、当調査の対象外の岡崎市や倉敷市の保護者から「うちも原則退園になっています!」という声が届き、上記以外にも「原則退園」の自治体があることがわかっています。とはいえ、「原則退園」は少数派なのです。

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