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クッキングパパは30年前からイクメン・イクボス

連載30周年を迎えた『クッキングパパ』の作者うえやまとちさんに聞く

 夫婦共働きで子育てをしている。核家族で両親は隣近所に住んでいない。でも、管理職(当時は主任で、現在は課長)の夫は毎日5時に会社を退社し、家族の料理の支度を欠かさない──そんな漫画が、30年前から週刊誌に連載されていること知っていましたか? 漫画のタイトルは『クッキングパパ』。そう、アニメ化もされたあの有名な漫画は、今から考えるとイクメン、イクボスの走りだったのです。週刊モーニングでの連載開始は1985年。バブル以前の1985年になぜイクメンを主人公にした漫画を書こうとしたのか。著者のうえやまとちさんに、日経DUALで「子育ての名言」を連載中の名言ハンター、大山くまおさんが話を聞きました。

うえやま とち

漫画家。福岡県福岡市出身。『クッキングパパ』で第11回ちばてつや賞準入選。1985年から博多(福岡市)を舞台に、仕事も家事も完ぺきにこなす元気なサラリーマン、荒岩一味(あらいわ・かずみ)、新聞記者として働く虹子、そして息子まことと娘みゆきという4人家族を描いた漫画『クッキングパパ』を連載中。

30年前は「こういうカッコよさ、わかってもらえるかな」と思いながら描いていた

―― まずは『クッキングパパ』連載30周年、おめでとうございます!

うえやまとちさん(以下、敬称略) ありがとうございます。

―― 僕は今、共働きの妻と3歳の娘を育てています。今回のインタビューにあたって『クッキングパパ』を1巻から読み返したんですが、今だから理解できることが本当にたくさんあって驚きました。うえやま先生は、主人公の荒岩一味のことを「理想の父親像」とおっしゃっていましたが、なぜこのような男性を主人公にしたのでしょうか?

うえやま 簡単に言うと、自分が料理好きだったからです。料理って、みんなの笑顔が増えるものだから、そういう漫画を描けないかな、というのがスタートでした。あとは、僕なりのカッコいいお父さん、カッコいい男を描きたいと思った。子どもも奥さんも全部まかせろ! 俺が全部やる! というお父さん。そういうカッコよさが描けんもんかな、と思っていましたね

―― うえやま先生も、やはりそういう父親を目指していたのですか?

うえやま 目指していたけどぜんぜんダメだった(笑)。毎週毎週、締切に追われていましたから。

―― 荒岩はとても仕事ができる一方で、料理だけでなく子育てや家事も積極的に行う男です。まさにイクメン、イクボスのはしりのような存在ですが、連載が始まった1985年当時はかなり変わった存在だったのではないでしょうか?

うえやま 最初は「こういうのってわかってもらえるかな?」と思いながら描いていましたね。支持があったということはわかってもらえたのかな。「イクメンを先取りしてましたね」と言われると、「あ、そうなの?」って感じです(笑)。自分は、こういう男はカッコいいよね、と描いてきただけなので。

―― うえやま先生の中では、それが自然な価値観だったんですね。

うえやま そうそう。 料理を作るってことは、すごいことでね。料理を作れば、それが食べた人の体の一部になるわけです。嫁さんと結婚して嫁さんの料理を食べているということは、自分の体が嫁さんに染まっているんだよね。違う嫁さんなら、違う体になるんです。こういうことは20代の頭頃になんとなく考えていましたね。だから、料理をテーマにした漫画を描こうと思ったんです。

―― 荒岩のモデルになったような人物はいたのでしょうか?

うえやま ビジュアルのモデルになった人はいるんだけどね(笑)。こういう生き方をしている人は、30年前はいませんでした

―― では、本当にうえやま先生の理想像というわけですね。

うえやま そういうことですね。まずは我が家でしょう、というところがあるんです。まず我が家のこと、家族のことが全部できて、外のことはその次。だから家に何千万も払って、何十年もローンを払うために外で働き続けるなんておかしいと思っていたの。安いアパートに住んでいてもいいじゃない。安くてもいいから家があって、家族がいる。すべてはそこからスタートだという考えが若い頃からありましたね。


連載が始まったのが1985年、コミックス第1巻が発売されたのは1986年1月。「こういう生き方をしている人は30年前はいませんでした」

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「クッキングパパ」うえやまとちさんインタビュー

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