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ケニアの母子の命を守る、日本生まれの母子手帳

子育て・教育

ケニアの母子の命を守る、日本生まれの母子手帳

生まれた国が違うだけで、母親や赤ちゃんの人生はこんなにも違う。同じ親として、今私達にできることとは?

こんにちは、治部れんげです。先日、近所のクリニックで受けた健康診断の結果を聞きました。いろんな数値を見せてもらい「全く問題ないです」との説明をお医者さんから受けて一安心。夜は子どもと一緒に早く寝て、子どものためにバランスの取れた食事を作る生活は、自分の体にも良い影響が出ています。今回は少し前に取材で訪れたケニアのお母さん達のことをご紹介しつつ、健康の問題を考えます。

ケニアに母子手帳を導入したのは、東京女子医大に留学していたケニア人医師


赤ちゃんを抱くケニアのHIVポジティブのお母さん

 写真は、赤ちゃんを連れた27歳のお母さん。彼女が持っているのは「母子手帳」です。中を開くと、お母さんが妊娠中に受けた健康診断や、赤ちゃんの出生時の体重、予防接種の記録に加え、赤ちゃんのケアのやり方がイラスト入りで描かれています。

 遠いケニアで母子手帳に出会うとは……。日本で出産や子育てをしている私達にとって、母子手帳は「便利なもの」です。自分と子どもの健康記録が1冊にまとまっているから、初診の病院へ行くときも、これを持っていけばすぐにお医者さんに伝わる。

 一方、ケニアで母子手帳は「便利」を超える重要な役割を担っています。それは、妊産婦や乳幼児の死亡率を下げること。そう、母子手帳はお母さんと赤ちゃん・子どもの命を救っているのです。

 日本は世界でもまれに見る、安全に出産できる国です。妊産婦死亡率は出産10万人当たりわずか4人。生後1カ月以内に亡くなる赤ちゃんを出生1000人当たりで見た、乳児死亡率は2.1、5歳未満児死亡率も同じく1000人当たり3人にとどまります。いずれも、世界トップレベル。

 母子手帳が導入された1940年代後半には、日本の乳幼児死亡率は70人に達していました。当時日本は敗戦後間もなく経済はボロボロ、開発途上国だったのです。その後、病院出産が増え、経済発展し、国民皆保険制度が導入されて、赤ちゃんの健康を取り巻く状況が改善したことで現在の姿に近づいてきました。

 一方、途上国では今でも日本の100年前と同じくらい、お母さんや赤ちゃん、子どもが亡くなっています。ケニアの場合、妊産婦死亡率は400人。乳児死亡率は39人、5歳未満児死亡率は52人に上ります。

 こうした中で注目されているのが、日本型の母子手帳。母親と子どもの健康に関するデータを1つの小冊子に記録するのです。それぞれの国や地域に合わせた表紙・内容にすることで、お母さん達にとって使いやすくなり、赤ちゃんの健康を守るのに役立ちます。

 ケニアに母子手帳を導入したのは、東京女子医大に留学していたケニア人医師。ケニアはエイズ患者が多いため、母親がHIVに感染していることも珍しくありません。母子感染を防ぐためには、母と子の健康データを一緒に把握できる母子手帳がとても有効だったのです。

次ページ 母親と赤ちゃんの情報を記録する母子手...

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