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「保育園義務教育化」は少子化を止められるか

子育て・教育

「保育園義務教育化」は少子化を止められるか

白河桃子×古市憲寿 対談(上) もっと「お母さん」を大事にしてもいい

少子化のポイントは単に子どもを増やすだけではない

白河 6歳までの教育が大事というと、「母親と一緒に過ごさなきゃ」「3歳児神話は本当だったの?」と思われる方もいるかもしれませんが、この本を読むと、そうではないんですよね。

古市 もちろん違います。歴史上、母親が一人で子育てする時代なんて、決して一般的ではありません。昔は日本でも、子どもは地域、親戚、大家族の中で育ったわけです。お母さん一人に育児を任せることは、日本の伝統でも何でもない。本の中でも書きましたが、「3歳児神話」は本当に神話に過ぎず、学会でも否定されていますし、1998年版『厚生白書』では合理的根拠がないと断言しています。なのに、なぜか働いているお母さんたちも保育士さんでもまだとらわれている人がいて驚きます。

白河 友人が「幼稚園に入れない子はいないのに、保育園に入れないなんておかしい」と言っていました。保育園と幼稚園を一体化させてこども園にするという話が進めば状況は改善すると期待していましたが、なかなか統合が進みませんね。そこで、保育園義務教育化という考え方はそこを突破できるのではないか、と希望を持ちました。

古市 義務教育化といっても、全員が0歳児から週5で保育園に預けるべきだと言いたいわけではなく、家族のスタイルによって、毎日、週1回、数時間など様々な形態で預けられるような形でいいと思います。

白河 ヨーロッパでは、3年間などの長期の育休は廃れてきています。親が子どもを長期間抱え込んで育てると、子どもの社会性を育む機会を阻害するという考え方なんですね。家の中では虐待も見えません。古市さんも、保育園など集団の中で育つことが重要だとしっかりと語られていますね。

古市 経済学的に見ても、国が幼児期にしっかりお金をかけると結果的に社会全体の税金が安上がりになります。コストパフォーマンスがいいんですよ。

白河 やはり少子化の一つのポイントは、「これからどれくらい子どもが増えるのか」だけではありません。今、既に生まれている貴重な子どもたちをしっかり育てることですね。生まれた環境にかかわらず、子ども達がしっかりと育まれ教育を受けることで、納税者として1億円納税してもらうか、教育の機会を失い将来的に生活保護が必要になって1億円ぐらい社会保障費を使うか、どちらがいいかは明らかです。

古市 国がちゃんと乳幼児教育にお金をかけるという考え方は、ごく当然な発想なんですけどね。

働いている女性も働いていない女性も一丸となってほしい

古市 日本の男性の家事、育児時間は、先進国の中で最も少ない。日本の女性は先進国の中で最も多いというデータもあります。

白河 そして、日本の女性が最も寝ていないという調査結果もあるんです。

古市 輝く女性を応援するといって、男性が家事育児を担うわけでもなく、ただ女性に働いてほしいというのは都合がよすぎます。物理的にも両方やれなんて無理ですよ。育児休暇だって、男性が3年取ってもいいはずですが、そうはいかない。男性が育児休暇を3日とると超ほめられるのに、女性はそもそも出産後3日で職場復帰すること自体が無理ですよね。まず産後1カ月は母体のためにも安静にしている必要がある。育児休暇が1年あるとして、初めの半分を女性、残りの半分を男性が取るという発想があってもいいはずなのに、まだ少しも一般的ではない。こうした男女のバランスの悪さは、いびつだと思います。

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