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息子を誘って野外劇へ 映画と違う「体で観る」体験

映画好きの息子達が、生身の役者によるその場限りの演劇で何を感じたか?

 子どもが成長するにつれ、親子で楽しめる遊びはぐんと幅が広がっていくもの。22歳社会人と高校生の息子を持つ著者・小栗雅裕さんが、大人の扉を開き始めた息子達に「大人の世界はこんなに面白いぜ!」と伝えるこの連載。今回は息子達と“アングラ演劇”を楽しむために、近所の公園に設営された野外劇場へ出かけました。

演劇は異世界への扉を開く

 「お芝居を観に行こうぜ!」と言うと、下の息子は一瞬面倒くさそうな反応を見せた(そういう時期なんだよね)。

 でも「場所は東京・吉祥寺の井の頭公園(家から近い)、芝居の主宰者は知っている人(ご近所)、しかも野外劇(初体験)だぜ」ってことで説得し、息子達二人と劇団・風煉ダンス公演の『泥リア』を観ることに決定。秋の長雨のなか、公演日が近づいてくると、「雨が降ったらどうするの?」とか当然の疑問も浮かんできたようだが、それも面白いんじゃない、とかわしながら、こちらは久しぶりのワクワクする芝居に期待が高まっていた。

 僕が地方の一人暮らしで受験勉強をしていたころ、ある日、裏の空き地にこつぜんと巨大な黒いテントが立った。「68/71黒色テント」(当時)の『阿部定の犬』を観たのがアングラ演劇、小劇場初体験だった。

 その衝撃はすさまじく、地方暮らしの少年の心と体をガタガタにするほど揺さぶった。テントという異空間も非日常なら、その中で行われた芝居の、常軌を逸したような世界観、間近で感じた役者の迫力といったらなかった。今は亡き斎藤晴彦さんのセリフや歌声が今でも頭の中でリフレインするほどだ。

小演劇ブーム真っただ中の青春時代


緊張気味の息子二人と、久しぶりのお芝居にワクワクの僕

 僕が青春を過ごした1970~80年代は、いわゆる小劇場ブーム。毎週のようにどこかの劇場に足を運んでいた。

 演劇を観るのは、テレビや映画のように気軽ではない。公演スケジュールをチェックし、公演場所に出向き、整理券をゲットするため早くから入場を待つ。当時の人気劇団なら、ラッシュアワーにも匹敵する超満員の身体的苦痛にも負けずに観なくてはならなかった。

 演劇は体で観るというのが染み付いている。だからこそ一夜限りのパフォーマンスが深く記憶に残るのだ。押し付けるわけではないけれど、息子達にもそういう演劇を体験してほしいと思った。

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