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子育て・教育

高学歴でも、家族一緒を選び「主夫」という選択

「フィンランドと日本、新しい家庭の姿」ルポ 状況に応じ柔軟に生きられる社会に

 「フィンランドと日本、新しい家庭の姿」と題し、技術進歩と未来の家庭像について考えるワークショップが都内で開かれました。スピーカーは、ミカ・パンツァー氏(ヘルシンキ大学特任教授、フィンランド消費者研究所所長)と、“ワーキング・ファザー”で秘密結社 主夫の友CEOの堀込泰三氏。堀込さんは東大を卒業後に自動車メーカーに勤務。育休を2年取った後に“兼業主夫”になるという珍しい経歴の持ち主です。

 「技術の進歩で、家事はもっと楽になるのか?」「これからの時代の、夫婦の家事分担の在り方とは?」そんな疑問を、フィンランドと日本、2カ国の視点から探ります。

 このワークショップは、フィンランドセンターが主催するセミナーの第2回。第1回の 「母に優しい国」フィンランド女性の光と影 ではフィンランドの事例を踏まえ、「幸せな共働き社会」を実現する方法について考えました。今回のテーマは、「新しい家庭の姿」。その内容を、3つのパートに分けてお届けします。

<目次>
 堀込泰三氏プレゼンテーション「ワーキング・ファザーへの道のり&日本の意識を変えるには」
 ミカ・パンツァー氏プレゼンテーション「技術に対して女性は効率性を、男性はエンターテインメント性を求めてきた」
 家事をめぐる質疑応答「片付けが大変だと嘆く前に・・・」

 まずは、堀込泰三さんのプレゼンテーションから。2007年に2年間の育休を取った堀込さんは「東大卒」という経歴や、「男だから」という固定概念にとらわれることなく、「自分たち家族にとって幸せな形は何か」を追求してきました。“兼業主夫”という形に行き着いた経緯と、現在の思いを語ります。

堀込さんのお話

 私は現在、フリーランスで翻訳の仕事をしながら、2人の子どもを育てています。ワーキング・マザーとはよく聞くけれど、ワーキング・ファザーって言葉は聞かないですよね。だから自分はあえてワーキング・ファザーと名乗っています。ワーキング・マザーっていう言葉自体、早く必要なくなればいいのですが。


堀込泰三さん:フリーランス翻訳者、秘密結社 主夫の友 CEO。在宅で翻訳をしながら2児を育てるワーキング・ファザー。大学院修了後、大手自動車メーカーで開発職に携わる。2007年の長男誕生時には2年間の育休を取得。その後、子どもと過ごす大切な時間を増やすため退職し、「子育て主夫」に転身。退職と同時に翻訳を始め、現在は「ナショナルジオグラフィック」「ライフハッカー」などのメディアで翻訳記事を執筆している。著書に『子育て主夫青春物語』(言視舎)。秘密結社主夫の友CEO

 わが家の収入バランスは、私と妻が4:6くらい。主夫といってもそれなりには稼げるようになってきました。家事・育児は、逆に6:4くらいで分担しています。

 私はもともとは、男が育児や家事をやるなんて想像したこともない、日本に多いタイプの男性でした。転機となったのは、2007年の息子の誕生。当時私は自動車会社のサラリーマンで、一方、妻は大学の研究者。妻は、長期の育児休業を取ると戻る場所が無くなってしまう状況でした。だから、妻が仕事をやめないためには、自分が育てるしかないと考えたんです。

 しかし、上司に相談したところ、ほとんど理解されませんでした。「男が育休取って何するの?」とポカンとされて。「何って、育児ですよ」と答えると「育児なんて、男ができないし」と言われてしまう。何度か話し合った末にようやく認められて、2年間の育児休業に入りました。

 育休期間の途中で妻がアメリカ転勤になったため、後半の1年はアメリカで子育てをしました。育休期間を終えても、妻のアメリカでの任期は残っていたので、私は、会社を辞めてアメリカに残ろうと考えました。でも妻は大反対。「私が大黒柱になるのは想像できない。それに、せっかく男性で育休を取ったのに、復職せずに会社を辞めてしまったら、後に続く人が育休を取りにくくなってしまう」と説得されて。泣く泣く、一人で日本に帰国しました。

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