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下園壮太 “疲労収支”は四半期でコントロールする

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下園壮太 “疲労収支”は四半期でコントロールする

【2016年はスケジューリングの鬼になる!特集(3)】<3カ月編>いつも元気でいるために、中長期スケジュールは“疲労のタイムラグ”を見込んで立てる

いよいよ師走。育児と仕事の両立に励む働くママ&パパにとっては、「来年こそは時間ともっとうまく付き合えるようになりたい」「年間を通して、自分のエネルギーをうまく配分できるようになりたい」という思いがあるようです。来年にはさらに「時間」とうまく付き合えるようになるための参考に!と、特集を企画しました。「1日」「1週間」「四半期」「1年」、そして「10年」という様々なスパンを切り口に、働くママ&パパの先輩達やビジネスで活躍している人達から「時間を上手に使う実践法」を教えてもらいます。

今回お話を伺うのは、陸上自衛隊初の心理幹部として活動してきた下園壮太さん。「疲れは蓄積されるもの。常に“疲労収支”という考え方を意識して管理してほしい」。下園さんは3カ月先、四半期ベースでのスケジューリングを推奨します。ポイントは「疲労は自覚するまでにタイムラグがある。中長期のスケジュールは、その性質を織り込んで考えることが大事」です。

【2016年はスケジューリングの鬼になる!特集】
第1回 「“あな吉流・翌日シミュレーション”でご機嫌になる」
第2回 「野呂エイシロウ 仕事は1週間でルーティン化する」
第3回 「下園壮太 “疲労収支”は四半期でコントロールする」
第4回 「森本千賀子 年の初めには『自分ブランディング』を」
第5回 「川島高之 人生を豊かにする『生活の3本柱』とは?」

下園壮太

防衛大学校卒業後、陸上自衛隊入隊。陸上自衛隊初の心理幹部として多くのカウンセリング経験を積み、陸上自衛隊衛生学校メンタルヘルス教官、惨事ストレスに対応するメンタル・レスキュー・インストラクターとして活躍。2009年に第8回「国民の自衛官」に選ばれる。『学校では絶対に教えてくれない 自分のこころのトリセツ』(日経BP社)など著書多数。

共働き世帯にありがち! 家族旅行の前に仕事を詰め込んで、疲労が累積


下園壮太さん

 楽しみにしていた家族旅行。いよいよ出発は明後日! しかし、仕事が終わらず深夜までの残業が続いてしまい、しかも、結局は旅先にまで仕事を持ち込んでしまうことに……。共働き世帯にとって、これはさほど珍しくない光景ではないでしょうか?

 ただし、もしこんな状況に陥っても、旅行は楽しいため、旅先では「リフレッシュできた!」という錯覚に陥りがちです。ところが下園壮太さんは、「確かに楽しいことは嫌なことを忘れさせてくれます。でも、それは一瞬だけのこと。楽しいことでも、大量のエネルギーを消費することには変わりなく、後になって疲れがどっと来ます」と注意を促します。

 下園さんによれば「疲労は借金のようなもの」。よく眠り、適度なストレス解消を行っていればこの“借金”を返済することは可能ですが、仕事はもちろん、家族内イベント、それに病気、ケガ、勉強の悩み、人間関係のトラブルなど、子ども関連の予測不可能なトラブルなどに遭遇していくうちに、子育て世帯は知らぬ間に疲労をどんどんためてしまいがちだと言います。

 「忙しいけれど元気。大丈夫!」と思えるのも、まだ貯金があるから。その後も“ムリ”を続けていると貯金を徐々に食い潰し、ある日突然「ものすごく疲れている状態」に気が付きます。「これが、疲労の収支を悪化させてしまった状態、いわゆる“うつ状態”ですね」。

疲れにはタイムラグがある。自分を過信すると、「疲労の収支」を悪化させる

 下図「ムリの進行(うつの症状変化)」は、ムリが重なってうつ状態になってしまうことを示したグラフです。折れ線グラフが右肩下がりになっている状態が、疲労の蓄積度を示しています。

 第1段階の“日常的なムリ”の疲労レベルであれば、「1日出かけたら1日休養を取る」という程度で回復します。

 でも、“日常的なムリ”は、家族内イベントや義理の両親の来訪、子どもが予期しない問題を起こしたなど、2つ、3つと重なるものです。徐々に回復が追い付かなくなり、「疲労収支」を悪化させ、突如、第2段階に入っていきます。その兆候は「疲れているのに眠れない」「何となく調子が悪い」といった主観的なもの。第2段階に入ってしまうと、同じ刺激にも2倍のショックを受け、疲労も2倍です。そして、疲労の回復には2倍の時間がかかるようになります。

 「第2段階までは、まだギリギリ自分を取り繕うことができ、何とか仕事もこなせる状態なので、周囲にはその疲労に気づかれないかもしれません。でも『いつも調子が悪い』『何でもないことにイライラしてしまう』『ケアレスミスが増える』『思わぬ行動を取った自分に落ち込む』など、いつもの自分ではない状態になるのです」

 そのままムリを続けていると、いつもの3倍頑張らないと通常の能力すら発揮できなくなり、疲労も通常の3倍に感じてしまうという第3段階に陥ります。ふと「死んでしまいたい」という考えがよぎるのもこの時期です。

 「第2段階であればまだ、家族や上司の理解があれば、通常の仕事をしながらでも回復させられるレベルです。でも第3段階は、体のケガでいえば骨折した状態。絶対安静にしなければ回復させることができません。ここまでいくと回復には多大な時間を要します。こういったことを事前に知り、疲労の蓄積に敏感になっておかなければなりません」

 また、疲労は表面上の出来事より遅れてやってくるということにも注意が必要です。疲労には、実際に疲れてから「疲れた」と自覚するまでにタイムラグがあるのです。

 例えば、イベントAが終わると、気分的には「ああ終わった」という開放感があります。しかし、蓄積疲労の観点から見れば、イベントが終わった時点が、蓄積疲労が最もたまっているときです。もしそこに「スケジュールが空いているから」という理由で、イベントBを入れてしまうと負担感が2倍になり(第2段階「2倍モード」)、疲労した状態が余計に持続します。「ですからイベントの後は、それ相当の『休養期間』、つまり普段とあまり変わらない日常を送る期間を入れなければならないのです」(参照:下図「疲労のタイムラグ」)。

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