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川上未映子 大人だもの自覚的に飲みたいわ[PR]

【第3回】 わたしにとってお酒はもう、選び抜かれた時間で愉しむもの。ダメージを連れてくるお酒は無理なのだ。

 子育てから仕事から夫婦関係から地域社会まで、働く母とはなんと多くの顔を持って生きていることだろう。最愛の息子を育てながら小説家として活躍する川上未映子さんが、素敵も嘆きもぜんぶ詰め込んだ日々を全16回にわたりDUAL読者にお届けします。第3回のテーマは、「飲み会」について。

 39歳、昔でいえばふつうに初老……そうよね、生活のいろんなことを見直す人生の後半に本気で入ったのかも知れないなあなんて、今日もフレシネを飲んで考えた。

 肌のハリとか、たるみがどうとか、外見に関することは言うまでもなく、徹夜ができなくなったとか、記憶力がもう使い物にならないとか、内外問わず、ほんとに若いころから変化してるよな……ってことは三十代半ばから感じていた。そして40歳を目前にして、それは「変化」じゃなくてたんてきな「事実」になった。そしてこのごろいちばん痛感するのは、お酒にかんしてのこと、なのだった……。

8時間、お酒を飲みながら小説を語る

 もともとお酒がすごく強いというわけでもなく、毎日飲むという習慣もないわたし。しかしパーティーだったり飲み会だったり人が集まると気づかないうちにけっこう飲んでいて、気がつくと8時間とか経っていた、みたいなことが、ごくたまにあったりするからおそろしい。

 同席するのはほとんどが文芸業界の方々で、飲むとだいたい文学の話になる(ほかに共通の話題もないので)。文学の話ってなによ……と思われるかもしれないけれど、まあいわゆる、仕事の話なんですよね。

 たとえば美容業界の人々が飲み会で、「今期はどこのどの製品がどれくらいどう」とかそういう話をしたりするのときっと似たような感じで、小説全般、こまかくいえば文体がどうとかあの作品のここがどうとか、そういう関係ない人からすれば退屈極まりない話をああだこうだとすることになる。

 で、わたしは小説を書くのも読むのも好きだから、そういう話がやっぱり楽しいんですよね。


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川上未映子のびんづめ日記

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