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夫婦食文化戦争が生んだおせち「きんとんトースト」

(2)夫婦それぞれの食文化を取り入れて、わが家の味を作っていく

もうすぐお正月。「おせち料理なんて作ったことがない」という人に向けてDUALでもおなじみの料理家、本田明子さんが無理なくできるレシピを紹介する連載。第1回「市販食材を自分流に味付け。わが家の簡単おせち入門」では、市販の黒豆を自分らしい風味に変えるなど、おせちの基本となる3品の作り方を紹介しました。今回紹介するのは、その3品のうちの2品を利用したお正月らしい和風スイーツです。でも、その前にお雑煮に代表される、「妻の実家の味 vs 夫の実家の味」という食文化戦争の平和的解決法から。

食文化の違いを否定せず、うまく取り入れていくには

―――「食文化戦争」とは穏やかではありませんが、たしかにお雑煮は地域によって違いますよね。夫婦でお雑煮の味が違ったり。この場合は次の世代にどちらを伝えればいいのでしょうか。

 確かに、お雑煮は地方によってかなり違います。お雑煮の味が違うといってケンカになる夫婦も多いようです。そういった意味では「妻の実家の味 vs 夫の実家の味」という食文化戦争が勃発しやすいのがお正月という行事なのです。


本田さんが今まで食べたお雑煮の中で、いちばんシンプルなのは、上の石川県七尾市出身のお友達が作ったもの。逆に日本一具だくさんといわれているのが、下の長崎県のお雑煮。これも長崎出身の友人に食べさせてもらいました。ともに、おいしい

 家族は、いきなり家族になるわけじゃありません。お互いに育った環境が違うのだから、文化の違いがあるのも仕方のないこと。自分では「当たり前」と思っていた習慣が、その家庭によってそれぞれ違うんだということを、受け入れていかなければうまくいきません。お雑煮の味付けが違った場合は、元日が夫の実家の味、2日目は妻の実家の味というように、優しい気持ちでうまく折り合いをつけていきましょう。

 そのためには、お正月にそれぞれの実家に行き、外国旅行にでも出かけた気持ちで、その家庭の味を知っておくことも大切。もしかすると、びっくりすることもあるかもしれません。でも、それを全面的に拒絶することなく、受け入れられるところは受け入れてわが家風に上手にアレンジしていく。それが、自分達の引きずってきた文化を継承しつつ、今の家族と新しい食文化をつくっていくということなんです。

 実は、わが家の最初のお正月は散々でした。元日の朝、私は当たり前のようにおせちを作り、お煮しめを出したのですが、夫は「お正月なのに、なんでお煮しめを食べなくちゃいけないの? いつものように、朝はトーストがいいな」なんて言うものですから。

 お正月にトーストなんて、私にとってはまさに「あり得ない!」こと。でも、冷静になってよく考えてみれば、そんなに夫がトーストを食べたいのであれば、2日目くらいからは、メニューの一つとして登場させてもいいかな、という気持ちになりました。とはいえ、ただのトーストなんて面白くない。ちょっと工夫して、お正月らしいトーストにしてやろうと思ったんです。そこで生まれたのが、この本(本田さんの近著『娘に伝えたいおせち料理と季節のごちそう』)にも載せた「きんとんトースト」。その瞬間から「きんとんトースト」はわが家のお正月料理の定番になりました。

 結局、「こうでなくちゃいけない」というものではないんですね。それぞれ違った食文化を持っているんだから、両方の家庭の味を試し、その味を上手に取り入れながら、少しずつ自分の家らしいお正月料理を作っていけばいい。そう思うと、おせち料理作りもなかなか楽しいものですよ。

―――ではさっそくその「きんとんトースト」のレシピを教えていただきましょう。

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