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駒崎弘樹 僕らのSNSメッセージが政治を改善させる

子育て・教育

駒崎弘樹 僕らのSNSメッセージが政治を改善させる

山本香苗前副大臣×駒崎弘樹(下) 最長2分かかる虐待相談ダイヤル「189」、子どもの貧困

2014年末に届いた1通のfacebookのメッセージ

山本 私も日ごろ活動するなかで、価値観の違いを乗り越えてコンセンサスをつくるのは簡単なことではないなと感じています。特に、上の世代の方は、その方の人生を形成した成功体験がありますから。

駒崎 非常にオブラードにくるんでいますが、つまり、上の世代とは価値観が違って大変だと(笑)。

山本 例えば、「できちゃった婚はけしからん!」「子どもを育てられないなんてとんでもない」という方がおられますが、親を攻めているだけでは解決にはならない。子育てに不安や困難を抱えている家庭を支援していくことこそ重要で、駒崎さんが取り組んでいる赤ちゃん縁組もとても重要だと思います。ただ、いろんなご意見をお持ちの方々がおられますが、「子どものため」の一点でご理解を得ていきたいと思っています。

駒崎 世代間ギャップに苦しまれながら進んでいることが伝わってきます。

山本 理解を得ようとしなければ、何も進まないですから。地道に頑張ります。

駒崎 しかし、このまま「票につながるから」と高齢者にバラまき、短期的利益だけ求め続けていけば、日本は“緩慢なる死”を迎えることになりますよね。僕は非常に危機感を抱いているんです。僕達の世代のニーズをかなえる政治に導かないといけないと。とはいえ、構成人数や投票率では、なかなか「厚い層」にはなれない現実もある。“少数派”のDUAL世代が自分達の声を届けるためにできることって、選挙の投票行動以外に何がありますか?

山本 選挙以外のときにもどんどんご意見・ご要望を届けていただけるとありがたいです。私は困りごとがある人からのお声を受け話を聞きに行くのが、本来の政治家の姿だと思いますけどね。

駒崎 そういう政治家が近くにいるとラッキーですけれど、多くの場合はそうではないので。最近、ある議員から聞いて印象的だったのは「子育て世代の声が聞こえづらい」という率直なコメントでした。シニア世代からの陳情は頻繁に聞かれるので「解決しなければ」という気持ちになっていくが、DUAL世代で陳情を直接言ってくる人はなかなかいないと。それを聞いて、若い層こそもっと積極的に政治家にリクエストを伝えるべきだと思ったんですよね。

山本 実際、メールやファクスがきっかけで、すぐに政治に反映されることもありますからね

駒崎 それは本当ですか? 多くの読者は「本当に読んでいるの?」と疑っていると思います。

山本 読んでます、読んでますよ! え? 読んでいないと思われているのでしょうか。

駒崎 はい。「どうせ届くはずがない」と思って、何も行動しない人は多いはずですよ。

山本 実際、facebookのメッセージがきっかけで、選挙の不備を解消したという実績もありますし。

駒崎 そういうことがあったんですか?

山本 2014年末に60代の男性から届いた1通のメッセージで、「20歳(今年から18歳)の誕生日を迎えて新たな有権者となった方が、選挙直前の転居があると投票できない」という空白があることを教えていただいたんです。すぐに総務省に確認して、不備解消には法改正が必要だと。急いで18歳選挙に間に合うように動きました。18歳は進学や就職で転居も多い年代なので、絶対に解決すべきだと思いました。

駒崎 素晴らしい。そのメッセージを送ったのはどんな方だったんですか?

山本 60代の男性でした。知り合いの家族のお嬢さんの状況を教えてくださったんです。

駒崎 美しい世代間プレーじゃないですか! SNSを通じて僕達は世代間連携もできるのだということが分かりました。

山本 これは今年1月の話なのですが、全国各地から様々なご意見を多くいただいてうれしい悲鳴です。政治家は具体的な課題を見つけて解決することに喜びを感じる人がほとんどなので、「この部分を解決してほしい」とできるだけ具体的に教えていただくのがいいですね

駒崎 なるほど。つい愚痴って終わりになりがちですが、何を解決してほしいのかを明確にして届けることが政治家を動かすと。希望を持てる話をありがとうございました。児童虐待の問題に限らず、僕達の身のまわりで起きている、僕達の感覚で「解決してほしい」と感じる課題をどんどん政治家にぶつけていきたいと思います。

山本香苗
1995年外務省入省。96年外務省在外研修でトルコ・イスタンブール大学大学院。98年在カザフスタン大使館(在キルギス大使館併任)。2001年に外務省を退職し、参議院議員選挙を最年少で初当選。14年に厚生労働副大臣就任。現在、公明党女性局長、公明党女性委員会「子ども・若者支援プロジェクトチーム」座長、大阪府本部副代表、兵庫、京都、滋賀、和歌山、奈良、福井県本部顧問。

(文/宮本恵理子 撮影/鈴木愛子)

駒崎弘樹

駒崎弘樹

1979年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業後、「地域の力によって病児保育問題を解決し、子育てと仕事を両立できる社会をつくりたい」と考え、2004年にNPO法人フローレンスを設立。日本初の「共済型・訪問型」の病児保育サービスを首都圏で開始、共働きやひとり親の子育て家庭をサポートする。2010年からは待機児童問題の解決のため、空き住戸を使った「おうち保育園」を展開。「おうち保育園」モデルは、2015年度より「小規模認可保育所」として、政府の子ども子育て新制度において制度化され、全国に広がった。2014年には、これまで保育園に入れなかった医療的ケアのある子ども達を中心とした障害児を専門的に預かる「障害児保育園ヘレン」を東京都杉並区に開園。2015年4月から、医療的ケアのある障害児の家においてマンツーマンで保育を行う「障害児訪問保育アニー」をスタート。政策提言や担い手の育成を行うため、2012年、一般財団法人 日本病児保育協会、NPO法人 全国小規模保育協議会を設立、理事長に就任。2015年、全国医療的ケア児者支援協議会を設立、事務局長に。
 公職としては、2010年より内閣府政策調査員、内閣府「新しい公共」専門調査会推進委員、内閣官房「社会保障改革に関する集中検討会議」委員などを歴任。 現在、厚生労働省「イクメンプロジェクト」推進委員会座長、内閣府「子ども・子育て会議」委員を務める。
 著書に『「社会を変える」を仕事にする 社会起業家という生き方』(英治出版)、『働き方革命』(ちくま新書)、『社会を変えるお金の使い方』(英治出版)等。翻訳書に「あなたには夢がある」(英治出版)。一男一女の父であり、子どもの誕生時にはそれぞれ2カ月の育児休暇を取得。

連載バックナンバー

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