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高橋ゆき 最愛の父が最期に残した意外な言葉を胸に

子育て・教育

高橋ゆき 最愛の父が最期に残した意外な言葉を胸に

「死にゆくことってどんなこと?」「パパにとって、私はどんな娘だった?」――。その2つの質問に、父は忘れられない回答をした

「自分達の輝く姿を子ども達に見せることは親としての使命」と言うのは、日本初の家事代行会社のベアーズ創業以来、社長である夫を支え、専務取締役として奔走してきた高橋ゆきさん。そんな高橋さんを形作った原点ともいえるご両親のこと、そして、ご自身の子ども時代。前回「高橋ゆき 父の愛は月の光。母は灼熱の太陽だった」に続き、高橋さんがご両親から受け継いだ「愛する技術」の原点を探ります。

父は私の辞書。人生の歩み方を教えてくれた大切な人

 「父のことを話し出したら、この連載終わらないかも。そのくらい私は超ファザコン!」

 高橋さんをそこまで夢中にさせる父親力についてもっと知りたい。そう思い、父との一番の思い出を尋ねると「1つに絞れない」と前置きしながら、こんなふうに表現してくれた。

 「父は私の辞書です。人生の歩み方の辞書」

 思春期の女の子にありがちな、急に父が嫌いになる。毛嫌いして避けるようになり、「洗濯物を分けて」などと言い出すようになる。こうした世間一般にいわれている父娘の通過儀礼を高橋さんは経験することがなかったという。

 「リビングのソファでうたた寝をしていると、よく父がお姫様抱っこをしてベッドまで運んでくれました。それがうれしくてうたた寝のフリまでしていました。実は、初潮を迎えた日には行きつけの飲み屋さんに鯛のお頭を焼いてもらって赤飯を持って高揚して帰宅しただけでなく、帰宅するなりカレンダーを破ってその裏に何色もの色ペンで子宮と卵巣の絵を描き、父自ら生理の仕組みについて話し出したくらい。一緒に聞いていた母が『へー、そうなんだー』と感心するほど、熱心な、見事なレクチャーでした。つまり、女の子は体を大事にしなければいけないよ。自分を安売りしてはいけないよ。ただただ、そのことを伝えるための父らしい愛の授業でした

 「どちらかといえば私は母よりも父に似ている」。そう自己分析する高橋さんだが、似ているからこそ衝突もあったし、けんかもあったそうだ。

 「けんかをしたり、意見がぶつかったりすると父なりの『ごめんね』の儀式がありましたね。けんかの後は必ず、カルピスかプラッシーの栓を抜いてお盆にコップを2つ用意して私の部屋をノックするんです。『ま、飲もうよ』ってコップに注いでいる姿を見ると、父も反省しているのが痛いほど伝わってきました」

 「今振り返れば、父との口げんかはディベートの練習だったかもしれません。理不尽な大人の詭弁だとうすうす気づきながらも自分の意見を曲げない、ブレない姿勢。今日分かり合えないことは3日後にまた話そう、と先延ばしにしてまで本質を考える時間を与え、寄り添いながら最後まで付き合ってくれました」

 どんなに理不尽なことがあっても、どんな不平不満があっても、時間を置くことで冷静に内省することができる。このときの体験を部下とのミーティングの場に応用している、と高橋さんは続けた。

 「不平不満を訴えて相談に来る人がいます。そんなときは嫌だと思っていることをすべて一筆箋に書き出してもらうのです。そして、その一筆箋をひとまず、私が預かります。1週間後、もう一度話し合いの場を設け、一筆箋を見せます。すると、たいがい『何でそんなことにこだわっていたのか』と本人が気づくケースがほとんどなんですよ」

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