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欧米では父親の役割を果たさないパパは離婚も当然

オーストラリア・ニュージーランド銀行の井上義明さんは日系銀行勤務時、1歳と3歳の子どもを連れて家族で米国に駐在。海外での子育てを語ります

「わが子を世界に羽ばたくグローバルリーダーに育てたい」。そんなパパ&ママ達の野望をよく耳にします。グローバルで通用する力を子どもにどう養えばいいのか。翻って、グローバルでご活躍中のビジネスエグゼクティブは子ども時代にどんな教育を受けてきたのでしょうか。リーダーの資質はどこで育まれたのでしょうか。親の成功体験は子どもにどんな影響を及ぼすものなのでしょうか。パパ&ママが気になる素朴な疑問を、日ごろからエグゼクティブビジネスリーダーと接する機会の多いヘッドハンターの阪部哲也さんが、二児のパパとして、先輩パパにインタビューしていきます。4人目のゲストは、外資系金融機関にて海外プロジェクトファイナンスの業務に携わる傍ら、社内研修やセミナーの講師としても活躍中の井上義明さんです。

井上義明さん

オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)スペシャライズドファイナンス・ジャパン本部長。プロジェクトファイナンスやストラクチャードファイナンスなどの業務を所管。1984年富士銀行(現みずほ銀行)入行。ニューヨーク支店融資課長、ヒューストン支店プロジェクト&エネルギー・ファイナンス課長、プロジェクトファイナンス部参事役を歴任。2005年国際協力銀行プロジェクトファイナンス部参事(出向)を経て、2006年より現職。著書に『実践プロジェクトファイナンス』(日経BP社)、『LNGプロジェクトファイナンス』。早稲田大学大学院修士課程修了。

欧米では「父親の役割を果たさないパパは離婚されて当然」


オーストラリア・ニュージーランド銀行スペシャライズドファイナンス・ジャパン本部長、井上義明さん

阪部 前職の銀行に勤務されていたころ、33歳で初めて渡米されたと伺っています。プロジェクトファイナンスの業務で多忙を極めるだけでなく、何かと気を張る海外勤務ということで、ご自身の仕事だけでなく、ご家族のケアなども含め、さぞかし大変だっただろうということは想像に難しくありませんが……。 渡米された当時、お子様達はおいくつでしたか?

井上義明さん(以下、井上) 家族でニューヨークへ渡った当時、子どもは1歳と3歳でした。振り返ってみれば仕事だけに忙殺されていたという印象はあまりないですね。子どもが生まれてから私自身、考え方が随分変わったこともありますが、駐在先の職場では元からワーク・ライフ・バランスの考えが当たり前のように定着しており、その影響が大きかったですね。

―― こう言っては何ですが、ワーク・ライフ・バランスという発想など、当時のドメスティックの銀行では考えられないことでしたよね?

井上 国内勤務の場合は確かにそうでした。一方で、プロジェクトファイナンス部や海外拠点は、あのころ確か“出島”と呼ばれていまして、生活スタイルや子育ての環境は日本の国内拠点とは全く異なりました。駐在先の上司も日本人でしたが、例えば「明日は子どもの授業参観なので半休させてください」とか「子どもの学校行事に参加したいので早く帰らせてください」というと「それは早く帰ったほうがいいね」というようなことが当たり前のこととして受け入れられる職場環境だったのです。

―― 同じ銀行でも日本と海外での差に驚きますね。今日本で使われている「イクメン」という言葉の使われ方とは全く違う意味で、父親の役割を強く求められると言いますか、海外では仕事だけでなく、家庭との両立ができて一人前であり、初めてパートナーとして信頼される、というような風土があるのですか?

井上 それはありますね。欧米先進国では家庭に給与を持ち帰るために仕事だけしていればいいという考えは許されません。「父親の役割を果たさないパパは離婚されて当然」と見なされます。日本に根強く残っている「男は仕事、女は家庭」という考え方は日本でも高度成長期に始まったもので、たかだか50年くらいの歴史しかないんです。確かに経済成長はしましたが、働き方における男女の偏りなど、悪しき負の遺産も少なくありません。この20年間、GDPも個人収入も伸びていないので経済的に苦しくなって女性達に仕事に復帰してもらおう、という動きがありますが、復帰して働いたとしても、いい給与がもらえる仕事は少ないというのが現状ではないでしょうか?

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