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「勇気づけ」と似ているようで違う「ほめる」の弊害

子育て・教育

「勇気づけ」と似ているようで違う「ほめる」の弊害

子どもとの間に、「相互尊敬・相互信頼の関係性」をしっかりと築こう

 皆さん、こんにちは。株式会社子育て支援の代表取締役、熊野英一です。前回に引き続き、今回も他者を「勇気づける」ことの素晴らしさについて、私の著作『アドラー 子育て・親育てシリーズ 第1巻 育自の教科書 ~父母が学べば、子どもは伸びる~』(アルテ刊)で触れている内容を参考にしながら考察を進めていきます。

 今回は「勇気づけ」が、親子、上司・部下、夫婦、友人などあらゆる人間関係にとって同様に効果的であることを、「勇気づけ」に似て非なる「ほめる」ことの特徴と照らし合わせながら見ていきましょう。

「勇気づけ」は、あらゆる人間関係に有効な関わり方

 アドラー心理学でいう「勇気づけ」とは、勇気づけする相手に「困難を克服するチカラ」を与えることをいいますが、この相手は、子ども、上司、部下、パートナー、友人、親・・・など、どのようなヒトにも当てはまります。あなたに勇気づけられた相手は、なんだか自分に自信が出てきて、目を背けそうになっていた自分自身の課題に向き合うことができるようになります。

 このようなステキな関わり方ができるためには、あなたと相手との間に「相互尊敬・相互信頼」の人間関係ができていることが前提であるということは、前回までに繰り返しお伝えしてきました。親子、上司・部下、夫婦のように、その役割や責任範囲の大きさに違いがある場合の両者の関係性の在り方について、下図を参照しながら考えてみましょう。

 仮に、その役割や責任範囲の大きさの違いをベースに、どちらかを「上」、一方を「下」とする「タテの関係」を築いてしまうと、そこには「支配―依存」の人間関係が出来上がってしまいます。でも、役割や責任範囲の大きさに違いはあるにせよ、ヒトとしての尊厳の重さに違いはないのですから、このことをベースにして両者の間に「ヨコの関係」を築けば、そこには「相互尊敬・相互信頼」の人間関係が生まれてくるのです。

 「ヨコの関係」を意識すれば、勇気づけの第一歩である「常に、共感ファースト!」の姿勢で相手と関わっていくことができることも、これまでのコラムでお伝えしてきましたね。ここでいう「共感」とは、相手の関心に関心を払うこと。相手の目で見て、相手の耳で聴いて、相手の心で感じようとする姿勢です。「同情」にはどこか「上から目線」な、相手がかわいそう前提の「タテの関係」がある点で「共感」とは区別されることも言及しました。また、相手の考えや行い自体に「同意はできない」けれども「共感を示す」ことはできますので、「共感=相手の言うことをすべて聞く・相手の思い通りになる」わけではないことも改めて指摘しておきましょう。

 「共感」とは言い換えれば、相手の「ありのまま」を受け入れようとする姿勢ともいえるでしょう。そして、相手の「ありのまま」を受け入れることこそが相手を「尊敬/リスペクト」することと同義であることもまた、これまでのコラムで指摘してきました。

 ここまで振り返ってきた、相互尊敬・相互信頼をベースにした共感的な関わり方に加えて、あなたが、子どもと、パートナーと、上司と、部下と、同僚と、ママ友と、その他あらゆる人とより建設的でハッピーな毎日をつくり上げていくうえで欠かせないのが、今回の主題の一つである「協調精神=他者貢献」の発揮です。

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