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小学校の国語の授業は大人が受けても価値がある

『論理力は小学6年間の国語で強くなる』の著者・小川大介さん【後編】/論理的伝達に必要なのは、相手を思いやる気持ち

自分の考えがうまくまとまらなかったり、相手にきちんと伝わらなかったり……、人とコミュニケーションを取るときに、思うようにいかないなと感じたことはありませんか? 物事を論理的に考え、伝えることができたら……。そう思って、論理力を鍛えるためのビジネス本を手に取ってみたものの、中身が難しくてかえって自信をなくしてしまった、なんて人もいるかもしれませんね。

「でも、『論理力』ってそんなに難しいスキルではないんですよ。だって、私達は小学校の国語の教科書ですでに学んで来たのですから」。こう話すのは、『論理力は小学6年間の国語で強くなる』(かんき出版)の著者・小川大介さんです。小川さんによると、私達は小学校6年間の国語で、論理力を鍛えるために必要な「3つの力」、つまり、「把握する力」「思考する力」「伝達する力」を育んだそうです。

さて、この3つの力のうちの「把握する力」と「思考する力」について説明してきました(第1回記事「小学生は国語の時間に意外とスゴイことをしている」、第2回記事「読書好きなのに国語で高得点を取れない子の弱点」)。物事を論理的に考えるには、その元となる情報を集める必要があり、情報を集めるには「目的」を持つことが大切であること。考えるためには3つのステップがあり、自分だけの世界に陥らないためには、物事を色々な角度から客観視すること大事である、と伝えてきました。

この点に気を付ければ、既に論理的な思考ができるはずです。ところが、その思考の過程を相手に伝えたいのに、どういうわけかうまく伝わらないことがあります。なぜでしょう? 「それは、伝え方が間違っているからです」と小川さんは言います。では、どうしたら相手に伝わるのでしょうか? 最終回では、論理のゴールである「伝達」について、小川さんに伺います。

「伝える」と「伝わる」の違いは何か?

 話の筋は通っている。説得力のある情報も揃えた。それなのに、「君の話は回りくどいなぁ~」「もう少し具体的な説明がないと分からないよ」「結局、何が言いたいの?」と自分の言いたいことが、相手にうまく伝わらないという経験をしたことはありませんか?

 コミュニケーションは、相手があってこそ成り立つものです。ですから、自分の中では論理的な説明になっているからというだけでは、相手に伝わるとは限りません。そのため、前の回でお伝えした「把握力」や「思考力」とはまた違う力が必要になります。それが「伝達力」です。

 この力を身に付ければ、あなたの話は相手に伝わるようになります。逆にこの力がなければ、たとえあなたが論理的に考えることができていたとしても、結果的には相手に伝わらないわけで、すなわち「論理力のない人」とされてしまいます。

 相手にきちんと伝えるためには、伝わるための「ルール」と「型」を知っておくことです。人に伝わる話し方とは、相手の様子や今置かれている状況を見て、タイミングよく、分かりやすい言葉と長さで話すことです。

 また、伝わるコミュニケーションを行うには、伝達の基本の型を知っておくといいでしょう。実際、英語をはじめとする多民族国家の言語には、伝えるための「型」があります。

 例えばエッセーなら……

① イントロダクション(結論、または概論)
② ボディパート(説明=根拠・理由)
③ コンクルージョン(結論)

という3つの要素で構成することが徹底されています。このような構成で書かなければ、書き手と共通認識を持っていない読み手には、そのエッセーをどう読んでいいのかが分からないからです。こうした「型」は、様々な民族が共存し合う欧米では当たり前のように浸透していますが、日本人にはまだ馴染みにくいかもしれません。なぜなら、日本は多民族国家ではないので、決められた型で話さなくても、なんとなく分かり合えてしまうところがあるからです。

 でも、それは少し前の話。今は日本人のライフスタイルも変わり、価値観が多様になっています。一昔前の村社会であれば、共通の文化があったので、相手の話をなんとなく察することができましたが、今はそうはいきません。ですから、共通認識を持っていない人に伝えるときに使う「型」が必要になるのです。 


小川大介さん

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