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罰与えることは「しつけ」にならず、記憶にだけ残る

子育て・教育

罰与えることは「しつけ」にならず、記憶にだけ残る

三つ子の魂百まで。 基本的なマナーが身に付いていない子どもは、将来苦労する

 挨拶ができなかったり、公共の場で大騒ぎをしてしまったりする子ども達に、その場限りの注意だけでなく、根本的にマナーを教えたい。でも、どうすればいいのでしょうか。キッズマナーの専門家で、幼児教室の講師でもある東節子さんによる「子どものマナーと教え方」のコラム、2回目です。前回はマナーとルールの違いなどについて述べてもらいました。今回は「しつけ」の本質や、なぜキッズマナーが大切なのか・・・などについてご紹介します。

暗い蔵の中に閉じ込められた「しつけ」の記憶

 近年「『しつけ』のつもりだった」という体罰や虐待などで、保護者が逮捕されるという事件が後を絶ちません。日本全国の児童相談所が対応した児童虐待件数は、昨年度1年間で10万件を超え過去最高を記録した、という嘆かわしいニュースも厚生労働省から発表されています。(2016年8月4日発表)

 「しつけ」とは、なんでしょうか? 辞書には「礼儀・作法を教え込むこと」とあります。

 職場環境の維持改善でよく使われる5S活動の一つである「しつけ(躾)」では、「決められたルールや手順を正しく守る習慣を付けること」と定義されています。また、裁縫では、着物の形が整って縫いやすいように、あらかじめ目安を縫いつけておくことを「仕付け」といいますが、子育てのしつけをこれになぞらえることも多いようです。あるいは、ペットや家畜の調教や訓練も「しつけ」と表現されるでしょう。

 このように、「しつけ」という言葉は色々な場面で使われていますが、私達は、子どもが一人前の人間として自立し、保護者の元を離れても生きていけるようになる時期まで、必要なことを教え、導き、伝えること、その内容と行為すべてが「しつけ」であると考えています。

 もちろん、「しつけ」には時として厳しさも必要ですが、それは暴言を吐いたり、たたいたり、というものではなく、指導する者が常に一貫性を持ち継続する、また自らがお手本を示すといった「凛とした厳しさ」であるべきものです。

 単に、お行儀としての形やテクニックだけを押し付けたり、また大人の気分で叱ったり許したり、というような態度では、子どもは理解できず混乱するばかりです。また子どもの自主性を認めるあまり、将来社会で生きていくうえで必要な常識が身に付かないほどの甘やかしや、逆に失敗させないように守り過ぎて自分で考える力が身に付かない育て方も、正しい「しつけ」とはいえません。

 「しつけ」とは 仏教用語で「習慣性」を意味する「じっけ(習気)」が変化してできた言葉であるといわれています。漢字で書くと「躾」ですが、これは、しつけの対象を礼儀作法に限定する武家礼法の用語として生まれた、日本の国字だそうです。

 「身」を美しく、自分自身をさらに良くする・・・すてきな日本語だと思いませんか。

※「5S活動」 職場環境の維持改善で掲げられるスローガン。各職場において徹底されるべき事項を5つにまとめたもので、それぞれの頭文字がSであることからそう呼ばれる。「整理・整頓・清掃・清潔・躾」の5つ。

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