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白木夏子 働く家族に囲まれて「作る」喜びを育んだ

社会起業家・白木夏子さんインタビュー(上)祖父から好奇心を母から強さを受け継いだ

 彼女の名前は、もしかしたら既にどこかで耳にしているのではないでしょうか。白木夏子さんは人と社会、自然に配慮したジュエリーブランドHASUNAを20代で立ち上げた社会起業家で、2011年には世界経済フォーラム(ダボス会議)が選ぶ日本の若手リーダー30人に選ばれています。アグレッシブなグローバルリーダーを想像するかもしれませんが、素顔の白木さんはどちらかというと控えめな印象です。言葉を選びながら、少し小さな声で、しかし、どこまでもまっすぐに質問に答えていきます。

 「ビジネスを通して世界をより豊かにする」。その信念を胸に、新しい世界へと飛び込んでいく強さは、実は好奇心旺盛な祖父や、一度決めたら揺るがない母親譲りのようです。第1回は、働く家族に囲まれ、インドア派の子どもだった白木さんが世界に飛び出すまでを伺います。

どんなおもちゃより端布で洋服を作るのが好きだった


ファッションデザイナーをしていた母親と。おそろい手作り洋服を着て

日経DUAL編集部 ご家族全員が働く中で、育ったとのことですね。

白木夏子さん(以下、敬称略) そうなんです。父は名古屋の繊維商社に勤めているサラリーマンでしたが、父の実家は愛知県一宮市で調剤薬局を営んでいました。祖父母と母は、その薬局で働いていたんです。学校から帰るとお店番をしている母の隣にある商談机で宿題をしていました。

 そんなふうに、家族が全員働いていたから、自分自身も社会に出たら働くのだろうとごく自然に考えていたように思います。ただ、実は高校になるまでは、ファッションの世界に進みたいと考えていました。


ジュエリーブランドHASUNA代表・白木夏子さん。「デザイナーである母の影響で、幼少期から、人形の洋服などを作ることが大好きでした」

 それは、母の影響が大きかったように思います。母は独身時代、東京のアパレル会社の専属デザイナーをしていました。父と結婚する際に仕事を辞めたのですが、とにかく洋服を縫うのが好きで、私とのペアルックのワンピースなど、よく作ってくれました。ファッションデザインのコンペにも応募していたようです。

 私はその横で、端布をもらってリカちゃん人形のお洋服を作ったりするのが小さいころから大好きでした。「あなたはおもちゃ屋さんよりも布地屋さんに行ったときのほうがよっぽど興奮していた」と、母は今もよく言います。母が作っているのを横で見て、「この布地からこんな素敵な洋服が作れるんだ」と知っていたからだと思うんです。

―― 物心ついたときから、お母さんの横で何かを作っていたのですね。

白木 そうですね。紙粘土でブレスレットを作ったり、川や海で拾った石や貝殻にひもを通してアクセサリーを作ったり。絵を描くことも料理も大好きでした。とにかく、何かを作り出すことが好きでした。

 アクセサリー作りの趣味はその後、ロンドン大学に留学中も役立ちました。友達に手作りのアクセサリーをあげるととても喜んでもらえたので、「これは売れるかな?」と思って、オンライン上でお小遣い稼ぎに売っていたんです。そのときはもちろん、仕事にしようなどとは思ってもいなかったのですが。

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