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角野栄子 今も宝物を開けるみたいにワクワクしてる

『魔女の宅急便』著者インタビュー。結婚後、夫婦で移民としてブラジルへ。父親から「お前行っちゃうの?」と聞かれ、「そうよ、行くのよ!」と即答

「先輩デュアラーの魔法の言葉」5人目のゲストは、魔法に深~いゆかりのあるこの方。名著『魔女の宅急便』の生みの親、児童文学作家の角野栄子さんです。

ほうきに乗って空を飛ぶ13歳の魔法使いの女の子・キキ。相棒の黒猫ジジとともに、故郷を離れて新しい街で魔女修行をする少女の姿に夢中になったデュアラーは数知れないことでしょう。そんなキキの物語を生んだ角野さんは、若いころ、ブラジル移民としての2年を過ごしました。おしゃれと冒険を愛し、ドキドキするような楽しいことが大好き。そんなまさにキキのような魅力を持つ角野さんに、どんなときも自分らしく、仕事や子育てに向き合い続けるための「魔法の言葉」を聞かせていただきました。


『魔女の宅急便』を生んだ児童文学作家・角野栄子さん

角野さん(以下、敬称略) リオ・オリンピック、テレビでご覧になりました? 開会式から素晴らしかったでしょう! 

日経DUAL編集部 はい、とても! 角野さんは昔ブラジルにお住まいだったとお聞きしています。きっと懐かしくご覧になったのではありませんか? 

角野 もうすっごく懐かしかった! 私はブラジルが大好きだから。実はオリンピックの開会式フェチでもあるので、これまでいろんな開会式を見ているけれど、その中でも一番と言っていいくらい良かったと思います。

 大海原からプツプツ泡が出てきて、“人類の誕生”から始まってね。リオのファベーラ(貧しい人々の街)から、アマゾンの自然までを表現するというコンセプトももちろん、色彩感覚も素晴らしかった! 子どもから年寄りまでみんなサンバを踊れるというのもまたいいじゃない? 体の美しさ、リズム感のよさは他の国にはなかなかないものでしょう。マスコミはブラジルの悪い面に注目しがちですけど、いいところをもっともっと言ってほしいなと思いましたね。

片道切符でブラジルへ。移民としての暮らしが原点


『魔女の宅急便』角野栄子・作、林明子・画(福音館書店)

―― 結婚後、すぐの25歳のときに、ご主人とともにブラジルへ行かれたそうですね。当時、外国に移住するなんてとても大きな決断だったのではないですか?

角野 当時、日本は普通の人が自由に外国を行き来できる時代ではありませんでしたからね。でも、私の場合、夫がデザインの仕事をしていて、当時建設中だったブラジリアという新首都を「ぜひ見てみたい」という気持ちもあってね。旅行では行けないけれど、移民としてならばブラジルへの渡航が許されたんです。

 と言っても、円もまだ自由化されておらず、お金を出してもドルは買えないの。海外で日本円は使えないしね。移民の場合は、政府が日本円を多少は替えてくれたので、それを当座の生活費として持って、2カ月の船旅をして渡ったんですよ。もちろん片道切符です。

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