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ヘアドネーション 順番待ちの子が100人以上いる

(下)世界に一つだけの自分の「Onewig」を子ども達に贈るNPO団体「JHDAC」の活動

 産業カウンセラー、フリーライターの太田由紀子さんは、2015年2月に受けた人間ドックで腫瘍が見つかり、6カ月間の抗がん剤治療を経て、現在は3カ月ごとの定期検診を受けています。これまで普通に送っていた日常の中で、知らなかったことや気づかなかったことを、太田さんが弱者の視点で紹介していく新連載が始まりました。今回のテーマは、ヘアドネーション。「上」編(「がんになり分かった弱者の気持ち 子ども用ウィッグ」)に続く、「下」編です。

 10月末の日曜日、たくさんの人であふれる東京・新宿に、特定非営利活動法人「Japan Hair Donation & Charity(ジャパン ヘア ドネーション アンド チャリティー、以下、通称「JHDAC、ジャーダック」)」の事務局長・渡辺貴一さんはいました。今日はへアドネーションを希望している14人の子ども達の採寸日です。

 JHDACに寄付で集まった毛髪は海外で綺麗にトリートメント加工され、日本のウィッグメーカーの協力で世界に一つだけの「Onewig」になります。制作協力するのは、東京・浅草で大正14年創業のコマチヘア(かつらとかんざし、舞台化粧品が専門)と、アデランスの2社です。

 この日は、アデランスのレディスアデランス新宿で採寸がありました。採寸したのは4~17歳の14人の子ども達でした。この中の、6歳の女の子の家族を紹介します。

原因は分からないが、赤ちゃんのようなフワフワの髪の毛のまま6歳に

 秋帆(あきほ)ちゃんは幼稚園の年長クラスに通う、6歳の女の子です。1男3女の4人きょうだいの3人目で、小学6年生のお兄ちゃんと妹も一緒に来ていました。お兄ちゃんが秋帆ちゃんの採寸を待つ様子は、まるで妹や母親を優しく見守るナイトのようで印象的でした。

 サロンの椅子にちょこんと座る秋帆ちゃんの毛髪は、赤ちゃんのようなフワフワの髪の毛です。生まれてからずっとそのままのフワフワの毛で、切ったことはありません。長男や長女とは違う髪質に、お母さんは「原因は何だろう」と悩み、病院にも行ってあらゆることを調べたそうですが、今もその原因は分からないそうです。

 秋帆ちゃんはとても明るい女の子で、ショートヘアで友達と元気に遊び、楽しく幼稚園に通っていましたが、幼稚園の年長さんになって急に大好きな幼稚園に行きたがらなくなりました。

 訳を聞いても答えないので心配していたある日、家族でテレビを見ていたときに「ロングヘアいいな」とつぶやきました。どうしてか尋ねると、「同じクラスの友達からハゲと言われたから、ロングヘアになりたい」と答えたそうです。

 お母さんは秋帆ちゃんと相談し、既製のウィッグを購入しました。そして、幼稚園の先生や保護者に秋帆ちゃんの毛髪のことを話し、ウィッグをかぶって通学することに理解を求めました。まず先生に話した後、幼稚園の懇談会でお母さんが保護者に伝えたそうですが、涙をこらえるのに必死だったそうです。


採寸しているところ。中央が秋帆ちゃん

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