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佐渡裕 音楽はその価値を理解するほど面白さが増す

世界的指揮者・佐渡裕さんインタビュー(後編)/オーケストラ演奏会への敷居は少し高くても越えるだけの価値がある

世界的指揮者・佐渡裕さんが手掛けた初の絵本『はじめてのオーケストラ』(小学館)が11月に出版されました。主人公は、小学1年生の女の子「みーちゃん」。みーちゃんのパパは指揮者です。そのパパに招かれて人生初のオーケストラを聴きに行く特別な一日を描いた絵本です。会場にたどり着くまでのワクワク感、コンサートホールでの体験、音を通じた感動などが、みーちゃんの目を通して生き生きと描かれています。

「音楽の素晴らしさやオーケストラの魅力を、できることなら早い段階で子ども達に知ってほしい」。そんな思いに溢れたこの絵本は、言ってみれば佐渡さんから子ども達に贈られた“音楽会へのすてきな招待状”。クラシック音楽を子どもに聴かせてあげたいけれど、実は自分もよく分からなくて……という親御さんにこそ手にしてほしい一冊です。「日ごろ、オーケストラを鑑賞することは何だか敷居が高いと感じているパパやママに『この絵本をきっかけに演奏会に行ってみようかな』と思ってもらえたらとてもうれしい」と語る佐渡さん。「佐渡裕『子どもにこそ本物の音楽を経験してほしい』」に続く今回は、佐渡さんの子ども時代のことやもっと楽しく音楽を鑑賞するための方法、小学生におすすめしたい演奏会について、お話を伺いました。

小学校の高学年で既に、オーケストラで心を打ち震わせる感動を味わっていた

日経DUAL編集部 佐渡さんは人生で初めてオーケストラを聴きに行ったときのことを覚えていらっしゃいますか。

佐渡裕さん(以下、佐渡) 具体的には覚えていないのですが、たぶん小学校2年生くらいのころだったと思います。非常にませた子どもで小学校5年生くらいには京都市のオーケストラの定期公演の会員になっていました。毎回のことを克明に覚えているわけではないのですが、もちろん今でも記憶に残っている演奏会がいくつかありますし、少なくとも小学校の高学年ぐらいには「素晴らしい演奏だった」と、心が打ち震えるような感動を経験していたと思います。物心ついたころには親に連れられて演奏会に行くという体験をしていますから、当時の環境から考えても、ヨーロッパの子ども達と比較しても、音楽的には大変恵まれた特別な家庭環境だったと思います。

―― 主観的に「自分は音楽が好きなんだ」と感じた瞬間のことを覚えていらっしゃいますか。

佐渡 母がピアノの先生をしていて、僕は母の膝の上で育ったものですから、何歳から鍵盤に触っていたかということを覚えていないほど、自然と音楽が生活の中にありました。3歳のときにピアノの発表会に出ている写真も残っています。

 ピアノに関しては練習が本当に苦痛で「好きだ」という感覚は持てませんでしたが、音楽は大好きでした。3~4歳の僕が『快獣ブースカ』の主題歌を歌っているテープが残っているんですよ。もう完全に“イタコ状態”(笑)。ブースカが乗り移っているような歌いっぷりで、今、聴き返しても明らかに「僕は歌が好きだ!」という気持ちがビンビン伝わってきます。ピアノをやっていたおかげで、縦笛やハーモニカはすぐに吹けるようになりました。縦笛がうまかったので、その後フルート奏者を目指すようになったわけです。

―― 音楽にも様々な分野がある中で、クラシックを選んだ理由は何でしょう。

佐渡 オーケストラに興味を持つのが圧倒的に早かったんです。親の指示ではなく、小学校の高学年には10倍の倍率を勝ち抜いて京都市少年合唱団のメンバーになっていました。当時、日本を代表する指揮者と一緒に演奏する機会にも恵まれて、その指揮者にすごく憧れました。アイドルとかには興味が持てなくて。その後、中学生くらいからジャズを聴き始めて、反抗期に一時ロックに夢中になったこともあります。ジャズは今でも好きで、一番よく聴く音楽なんです。

―― 絵本『はじめてのオーケストラ』には、たくさんの楽団員さんが自分で楽器を演奏して、みんなでハーモニーをつくるというシーンがあります。みーちゃんがバイオリン、コントラバス、ホルン、トランペット、トロンボーンなど、様々な楽器を演奏する姿も描かれていますが、子ども達が一度に様々な楽器に実際に触れて、音を出してみるという機会はなかなか持てないものです。自分に合う楽器の探し方のヒントはありますか?


佐渡裕さん

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