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子育て・教育

悩める人に、おむすびで寄り添った佐藤初女さん

(上)「相手の気持ちを受け止める」「困っている人がいたら、隣人になる」――“日本のマザー・テレサ”を慕う輪、全国に

 「東北のマザー」と呼ばれた青森県弘前市の佐藤初女(はつめ)さんが2016年2月、94歳で亡くなってから、まもなく1年を迎えます。岩木山のふもとに立つ「森のイスキア」で、人生に迷い心が疲れた人たちを、おむすびと手料理で迎えていました。私(ジャーナリスト・なかのかおり)も取材で初女さんに何度かお会いしました。おむすびを握る会などで、初女さんを慕ってくる人の話に、じっと耳を傾ける姿が印象に残っています。「食はいのち」という信念のもと、晩年まで講演やおもてなしを続けた初女さんの生き方が、改めて注目されています。2回にわたり、子育て世代へのメッセージや、初女さんのおむすびレシピを紹介します。

悩める人の安らぎの場「森のイスキア」は宿泊者でいっぱいに

 小学校の教師だった初女さんは、病を抱えながら出産。染色の講師としても活躍しました。カトリックの洗礼も受けています。自宅で手料理をふるまいながら悩む人に寄り添う活動を始め、やがて増築して「弘前イスキア」と名付け、地元の女性たちも手伝うようになりました。さらに自然の中で安らげる場を作りたいと、岩木山のふもとに土地を見つけ、支援者の寄付も自然と集まって、1992年に「森のイスキア」を開設。支援者の寄付で、温泉を引いたお風呂も完成しました。

 95年に映画『地球交響曲(ガイアシンフォニー)第二番』(龍村仁監督)でダライ・ラマと共に活動が紹介され、イスキアは全国からの宿泊者でいつもいっぱいに。初女さんは国内外を講演して回るかたわら、イスキアで手料理を用意して迎えました。著書もたくさんあり、文化人からも慕われました。2016年3月に出版された『いのちをむすぶ』(集英社)の帯には、作家の吉本ばななさんが「ほんとうに偉大な存在は、決して人に気づきを強いない」とメッセージを寄せました。田口ランディさんは『いのちのエール 初女おかあさんから娘たちへ』(中央公論新社)を出版しています。


おむすびを握る初女さん(岸圭子撮影『いのちをむすぶ』より)

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