
子育て・教育
依存症にならないため、自分の限界を知ることが大事
体験者で回復支援施設代表・2女の母、オーバーヘイム容子さんに聞く(下)
根底にある生きづらさ・バランスを見直し、自分の状況を知る
―― 依存に走らないために、どうやってストレスマネジメントをしたらいいでしょう。
「依存症の背景にあるのは、生きづらさ。自分には関係ないと思っている人もいますが、誰もがなり得る病気です。依存には理由があります。寂しさを埋めるためとか痛みを消すためとか、なぜかを知る。もしストレスを感じているなら、状況を書き出してみてください。仕事・生活・家庭・友人・趣味などのバランスは取れていますか。何があなたを苦しめているのでしょうか」
「おなかがすいてる、イライラする、寂しい、疲れているといった『状況』がストレスを招くと知っておくことです。考えられなかったら、歩いてみる。体を動かすと、すっきりします。ストレスを感じやすい状況や危険信号、自分の限界を知ることも大事。そして自分を褒めてあげること。10できて当たり前ではない。私も以前は、10のうち2ができないと、バツをつける人でした。今は『8もできた』とリフレーミングするのです」
―― 今の容子さんはどんな生き方をしていますか。
「刑務所や少年院、学校で、自分を好きになるというテーマで話しています。何か悩みがあったら誰かに話してみて、自分に一生懸命になろう、と呼びかけます。私自身は、表現する手段が増えました。お菓子作り、ボクササイズ、山に行くなど趣味がたくさんあり、それを通じて話せる友達もできる。やりたいと思って行動したら、自分が変わった。今は大型バイクの免許を取りたいです。親との関係も良くなりました。私たち回復支援施設の目標は、『マイナス10の人生から、プラス10の人生へ』。依存症に限らず、生きづらさやストレスを抱える女性たちを勇気づけ、サポートしていきたいです」

なかのかおり
ジャーナリスト。記者として20年勤めた会社を退職し、フリーランスに。主な取材テーマは、医療・福祉・労働・教育・カルチャーなど。39歳で初産。産前産後の体験記・お出かけ情報についてのコラムや近況は「なかのBlog」をご覧ください。Twitterは@kaoritanuki
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