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宝くじで1億円当たった人の末路

マネーの専門家、マネーフォワード取締役の瀧 俊雄氏に聞く

「宝くじ」を買う度胸があるなら、「ルンバ」を作れ

 にもかかわらず、日本での宝くじ人気は依然高く、過去1年で1回以上、宝くじの購入経験がある人は推計で約5600万人もいるそうです。年齢別では40~50代の中高年が多いとのこと。

 自分で稼いだお金をどう使おうと個人の自由ですが、不思議なのは、1000万分の1の確率を信じて宝くじ売り場に並ぶ“勇猛果敢”な日本の中高年が、会社の中ではとても挑戦意欲の低い保守的な上司だったりすることです。あなたの会社にも、新しいことへの挑戦を嫌がり、部下のアイデアを潰してばかりいる中高年上司はいませんか。

 日本の産業界では、2000年代以降、ITや家電分野で日本企業が世界に先駆けて新しいものを作れなくなりました。その背景には、バブル崩壊後、急速に進んだ「過剰なリスク回避主義」があると言われています。

 皆さんは、日本の家電メーカーがロボット掃除機をなかなか開発せず(作れる技術はあったのに)、米アイロボット「ルンバ」の後塵を拝した理由をご存知ですか。

 「ロボット掃除機が仏壇のろうそくを倒して火災になるリスクを重視したため」(大手家電メーカー幹部)だそうです。

 先祖に祈りを捧げようと仏壇に火を灯しながら、すぐに外出を思い立ち、出かける前になぜかろうそくを消さず、一方で「ルンバ」のスイッチを入れる――。そんな人が日本に一人もいない、とは言いません。でも、いくらなんでも心配しすぎ(リスクの過大評価)と思うのは私だけではないはずです。

 人生もビジネスも「リスクを取ってリターンを取りにいく作業」の繰り返し。その際、何より大事なのは、目の前のリスクとリターンを正確に見極めることです。リスクもリターンも過大評価していては、人生も仕事もろくなことにはなりません。

 リターンを過大評価⇒1000万分の1 の幸運を信じて宝くじを生涯買い続ける
 リスクを過大評価⇒仏壇が燃えるかもしれないのでロボット掃除機を開発せず新市場をみすみす海外企業に明け渡す

 とりあえず、「めったに起こらない幸運」を待ちわびるのも、「めったに起こらない不運」を恐れるのも、今日からやめてみる。それだけで、落語『芝浜』の主人公・勝のように、人生やビジネスの可能性がぐっと広がる気がしますが、いかがでしょうか。

(イラスト/大嶋奈都子)

「宝くじで1億円当たった人の末路」

 著者:鈴木信行
 出版社:日経BP社
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