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「賃貸派vs.持ち家派」論争 賃貸派の末路

不動産投資に詳しいコンサルタントの石川貴康氏に聞く

【結論】賃貸派の末路は?
 むしろ「持ち家派」より、人生の自由度が増す

【解説】
 2000年代以降、業績が伸び悩む中で「リスク回避主義」が蔓延した結果、開発現場が保守化し、日本企業から「世界に先駆けて新しいものを生み出す力」が削がれました。

 そんな日本人のリスク回避志向が強まっているのは、研究開発現場だけではありません。例えば、日本の個人金融資産総額の半分はいまだに現預金だと指摘されていますし、若者は内向き志向で海外留学者数は減っているとも言われます。

 しかし、そんな臆病な日本人が昔から、リスクを度外視して果敢に行動する分野があります。それがローンによる持ち家購入です。

 専門家へのインタビューにもあるように、今の日本で、住宅をローンで購入するリスクは枚挙に暇がありません。

ローンで持ち家を買うリスク⇒ローン破産、災害、やばい人が引っ越してくる、人生の自由度低下……

 このうち、石川さんは「ローン破産」と「災害」の怖さを強調していますが、私個人はこれからの時代、格差・孤独社会などを背景に、確実に増加傾向にある「危険な隣人」の固定化こそ、持ち家の最大のリスクだと考えます。

 2015年11月、千葉県館山市である殺人事件が起きました。加害者は76歳の男性で、被害者は隣人の73歳の男性でしたが、公判では、地域住民など1000人以上から加害者の減刑を求める嘆願書が提出されました。

 地元メディアによると、加害者は被害者との隣人トラブルに20年以上、悩まされてきました。被害者は「生活排水が流れ込んでくる」とクレームをつけて金銭を要求し、毎日のようにカマを手に脅迫。加害者が施錠し、カーテンを閉めていると、「田舎のくせに鍵をかけやがって」と怒鳴り散らし、いたずら電話も後を絶ちませんでした。被害者の迷惑行為は近隣一帯に及んでおり、公判で加害者は「これ以上、周りのみんなに迷惑をかけさせないようにしたい」と、殺害行為に及んだ動機を打ち明けています(判決は懲役9年)。

 深刻なご近所トラブルが連日のように起こる今の日本で、「自分の隣にだけは危ない人が絶対に引っ越してこない」などと、どうして言い切れますか?

団塊、バブル世代が信奉した“古い常識”を見直せ

 多くの人がこれまで、無理をしてローンを組み、持ち家を買い求めてきた最大の理由は、土地の価格が右肩上がりで、若い頃に無理をしてでも購入しておけば、確実な資産形成になったからです。

 そんな土地神話が崩壊した今、多大なリスクを抱えて庶民が持ち家を持つ選択をする必要性はほとんどないように思えます。「自宅を持って初めて一人前」といった旧態依然とした価値観はこの先、どんどんナンセンスになっていくでしょう。

 持ち家論に限らず、日本は今、それまで多くの人が信じてきた様々な常識を見直すべき時期に来ているのかもしれません。ビジネスの進め方然り、進路選択然り。

 賃貸派の最大の不安は「高齢になって引っ越そうとすると家を貸してもらえない」というものでした。それが石川さんの言う通り杞憂であるのなら、賃貸派として生きていく上でのデメリットは、もうほとんどない気がします。

(イラスト/大嶋奈都子)

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 著者:鈴木信行
 出版社:日経BP社
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