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子育て・教育

子どもたちを育む、安全で刺激的な遊び場を

遠藤幹子×今泉真緒 対談(下) “ちゃんと見ていなかったからだ”と親の責任を追及するよりも、事故が起こらない仕組みをどう作るか

 子どもにとって大切な「遊び場」という場所。建築家の遠藤幹子さんと、展示プランナー・デザイナーの今泉真緒さんが、安全性を確保するために過去の事故の事例を社会全体で共有し、リスクとベネフィットをみんなで判断していくことが必要と語る対談。後編では、それぞれが大学生、幼児の親であるお二人に、チャレンジできる遊びの大切さや海外の事例についてお伺いしました。

(上)落ちる、挟まる、衝突する…遊び場の事故どう防ぐ
(下)子どもたちを育む、安全で刺激的な遊び場を ←今回はココ

オランダ流・実現するためにどうするかを考える方法

—— 遠藤さんはオランダでお嬢さんを出産し、3歳まで子育てを経験されています。現地では、保育園や公園の遊具のデザインなども手掛けています。オランダでの遊び場の安全性への考え方はどんな感じですか?

遠藤 オランダでは地域の児童公園などにも、デザイナーが設計したユニークな遊具がたくさんあるんです。その分、ものによってはリスクが少し高くなる遊具もあるのですが、それをデザイナー、地域、行政、施工業者などが話し合うことで、実現化していきます。

 私がオランダ時代に保育園の遊具のデザインを依頼されたときの例でいうと、まずは「子どもが思い切り弾けて遊べるもの」を考えてほしいというオーダーでした。そこでとにかく子どもたちが身体全体で楽しめるようなデザインを提案したんです。ただし、リスクという点ではいくつか課題もありました。それを今度は、万が一の補償を請け負う保険会社がひとつひとつ検証して、起こり得る事故を分析してくれるんです。「ここをこう改良すれば、事故が起きたときにいくらまで補償する」というように。

 結果的に、そのデザインは実現化しませんでしたが、ステークホルダーが頭を寄せ合って議論を重ねながらちょうどよい折り合い地点を見つけるという経験になりました。オランダでは、社会全体にそういうシステムが根づいているんです。

今泉 まさに私たちがこれから目指したい方向ですね。作り手だけで考えるのではなく、運営者や行政や利用者である親たちも、子どもの豊かな遊びと安全を両立させるためにどうしたらいいのかをどんどん議論できたらいいと思います。


(左)遠藤幹子 建築家。1971年、東京生まれ。東京藝術大学修了後、留学先のオランダに4年間暮らし出産・子育てを経験。帰国後、1級建築士事務所「office mikiko」、一般社団法人マザー・アーキテクチュアを設立。大人も子ども楽しく遊べる空間を美術館や公共施設に数多くデザイン。アフリカ・ザンビアで妊産婦死亡をなくすためのマタニティ・ハウスの建設プロジェクトも手掛ける。 (右)今泉真緒 展示プランナー/デザイナー。1978年、東京生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒。Webデザイナーを経て、オランダにてプロダクトデザインを学ぶ。約13年間、日本科学未来館に勤務した後、2017年1月に株式会社ダズを設立。東京と京都を拠点に、主に科学技術コミュニケーション分野の展示やイベントの企画制作を行う。2歳男児の子育て中。

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