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経産省の若手官僚らが投げかけた、政策の新手法とは

子育て・教育

経産省の若手官僚らが投げかけた、政策の新手法とは

(上)社会保障、雇用問題……「製造業で国が稼ぐ」前提に基づいた社会構造から脱却しなければならない

 少子高齢化、人権、子育て支援など、今日本の社会が直面している諸問題について、NPO法人フローレンス代表理事の駒崎弘樹さんが各界の専門家や政治家に切り込む本連載。今回は、日本の将来に対する危機感を“官僚らしくない”表現と切り口でまとめ、ネットで話題になった提言ドキュメントの作成者、経済産業省の若手官僚たちに話を伺います。上下2本の記事でお届けします。

※インタビューは2017年7月に実施。この記事の内容は当時の状況や情報に基づいています。

20~30代の官僚たちが危機意識を発信

駒崎弘樹(以下、駒崎) 今日お話に伺った先は、経済産業省です。ここにいらっしゃる須賀千鶴さん(商務・サービスグループ政策企画委員)と今村啓太さん(コンテンツ産業課総括係長)は、今最も注目されている若手官僚の代表といえるでしょう。須賀さんは日経DUAL読者と同じく、子育てにも奮闘されているワーキングマザーですね。

 話題になったのは、5月に突如、経産省から発表されたこちらの提言ドキュメント『不安な個人、立ちすくむ国家』。「政府の視線の先はいつもエリートか弱者」「お金よりも安心とつながりがほしい」「受験、就活、婚活、保活…自分で決めろと言われても、そんなにうまくいかない」「どんな人生の最期を迎えたいですか?」など、なんともセンセーショナルなワードが並んでいることがSNS上で拡散され、ネットニュースでもトップ記事になっていましたね。

須賀千鶴さん(以下、須賀) 予想以上の反響でした。ちなみに、今村君がこの資料のビジュアル制作を担当してくれました。

今村啓太さん(以下、今村) 通常の役所の文書でしたら小さい文字で5~6枚にぎゅっと詰め込むところを、読みやすさやインパクトを重視するデザインにした結果、65枚というボリュームになりました。

駒崎 僕としては、こういう提言が経済産業省の官僚の方々から発信されたということ自体、ポジティブに受け止めました。というのは、官僚というのはどこか“黒子”に徹するような役割認識があって、実態がよく分からない存在だったからです。今回の提言では、等身大の人間としての思いのようなものが見えてきた気がします。そもそも、なぜこういう文書を出そうと思ったのかというきっかけについて教えてもらえますか?


今回の取り組みで中心的な役割を担った、商務・サービスグループ政策企画委員の須賀千鶴さん

須賀 もともとは菅原次官(当時)が「若手は小さくまとまるな、もっと長い目で政策を考えよ」という考えを持っていて、私たちにチャンスをくれたのがきっかけです。昨年8月、省内の公募で集まった20~30代の30人が、有識者とのヒアリングや文献調査などを経て、まとめあげたのがこの文書になります。実は私は1年前にも指名制の若手プロジェクトに声をかけてもらい参加したのですが、そこでは不完全燃焼感があり、二度目のチャンスとして手を挙げました。

今村 私はまだ入省4年目です。日々の業務に追われるだけでは、1年後、2年後の政策だけに目が向きがちですが、一国民としての危機感はもっと先の将来にもわたりますし、短期的な政策が多いことにも問題意識を抱いていました。入省してすぐに各省の同期が集まる勉強会が開かれるのですが、飲み会の場などで一番盛り上がるテーマは、将来の社会保障についてでした。この危機意識をどう発信していくべきなのか、一つのチャレンジとして今回の取り組みがあったと思います。

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