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子育て・教育

不登校親の心得「子から離れ自分の楽しみ探そう」

「『わが子がプチ不登校だ』と感じたら・・・」セミナー報告(下)友達が少なくたっていい。子がやりたいことが動機となれば、事態は動く 

役割分担のバランスが大事。父親に限らず第三者でもいい(斎)

 次なるテーマは、夫婦間の温度差。特に無関心と思われがちな父親の接し方に迫ります。

羽生 母親はすごく頑張っているのに、夫は人ごとのようだとか、母親まかせになっているという声もよく聞きます。夫婦でこうしたほうがいいというアドバイスを教えてください。

黒沢 子どもに愛情を注ぐ人がどれだけいるかが大事です。夫婦で一緒に子育てをしてほしいですね。その場合、子どもにどのように接するか、ベクトルを合わせていくことが大切でしょう。中にはひとり親家庭の不登校の子もいますが、そういった場合も祖父母を巻き込んで、子どもに愛情を注いでほしいです。ひと昔前は、子育ては地域総がらみで行っていました。不登校の家庭はどうしても家族だけで閉じてしまいがちですが、子育てを抱え込まず、みんなに子育てを手伝ってもらっていいという意識を持つのもよいと思います

 保護者の夫婦関係は当然いいに越したことはないのですが、子どもにとって何が大事かという視点で考えると、父性機能と母性機能の役割のバランスが偏りすぎていることのほうが問題かなと思います。

 「休んでいいんだよ」と言って、その子を認めてあげる母性的な役割がひとつあるとしても、それだけに偏ってしまうのは子どもの育ちによくありません。そうかといって、「ちょっと頑張ってやってみようか」と引き上げるような父性的な役割を必ずしもお父さんが担わなければいけないわけでもありません。学校の先生やカウンセラーさん、僕たちスクールソーシャルワーカーなどで、その役割を果たせる人がいれば、そこは補えることもあるかもしれません。

 パートナーが期待に応えてくれないことでつらくなって、どちらも機能しなくなってしまうくらいなら、その役割を第三者に求めるということもあっていいんだと思います。

パートナーを責めない。相手も同じように悩んでいる(森本)

蟇田 「結」の会に相談にいらっしゃるもお母さんの中には、「夫が関心を持ってくれない」と夫婦間の温度差に悩まれている方もたくさんいます。実はお父さん自身は、自分が何をすればいいのか分からないというところが多々あるので、お母さんにはまずお父さんの生い立ちを振り返ってもらっています。

 お父さんが小さい頃からどんな家庭で育ってきたのかを考えてはどうでしょう。例えば、お父さんがひとりっ子なのであれば、子どもとの関わり方が分からないのかもしれません。そうすると、お母さんがたまには子どもを外に連れ出してくれればいいのにと思って、お父さんに「少しは子どものことを考えてよ」と言っても、お父さん自身はどう行動すればいいのか分からなくて当然です。それなら「○○はパパと遊ぶときは本当に楽しそうにしているね」と言い方を変えて、自分の家族関係に興味をもってもらう。お父さんを巻き込みたいときには、こういう作戦をよく使います。

森本 「結」の会には3スローガンがあります。 1、夫を責めるな。2、子どもから離れろ。3、自分の楽しみを探せ。この3つです。

 森と私で「父親の会」を開いたときのことです。お父さんは自分がいかに子どものことを心配しているか、皆さん異口同音に訴えるのです。あるお父さんは「夜も眠れないほど息子のことを心配しています。でも、どうしたらいいのか分からないんです」とおっしゃいました。そして、「どうしたらいいのか分からないけれど、妻にはそう言えない」と涙を流されました。

 お父さんというのは、なんて損な役割なのでしょう。妻から「何もしてくれない」と言われているお父さんたちも、本当は心配しています。「おまえの子育てが悪かったんだろう」という言葉とは裏腹に、悩んでいます。けれども、家族には弱いところを見せたくないという父親としてのプライドもあるのですね。

 そのことが分かってから、お母さんたちには、お父さんたちも心配していることを伝えたうえで、「一年かかってもいいので、パートナーのいいところを100個、書いてきてください」とお願いしています。

 最初は「無理です」と言う方がほとんどです。ところが、いつもいつも夫のいいところを探していると、こんないい面もあるんだなということに気づき始め、夫を責める回数がだんだんと減っていくようになります。

 子どもが不登校になると、それまで夫婦の仲がよくても、途端に価値観のずれや、今まで隠れていた問題が噴き出ることがあります。逆に、子どもがうまくいき始めると、また仲のいい夫婦になる方もいらっしゃいます。

 私は夫婦の考え方を無理矢理に一致させることについては賛成していません。なぜなら子どもの逃げ場がなくなるからです。やはりバランスが大事で、子どもを愛情で包み込む役割も必要なら、世の中の厳しさを教える役割も必要です。夫婦の意見が食い違うことは、むしろいいことだと思います。ただ、お願いしたいのは、子どもの前で争うのだけはやめてほしいということ。話し合うときは、夫婦でドライブでもしてきてねとお願いしています(笑)。

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