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「うちの子はひきこもり」と気軽に話せる社会に

子育て・教育

「うちの子はひきこもり」と気軽に話せる社会に

「ひきこもり=恥」の意識が凶行を生む、「語ることで社会の認識を変えよう」当事者が親子の「対論」イベントを開催

うめいている息子を見て「とにかく笑ってほしかった」と父

 イベントでは、長男がひきこもりだったという50代前半の男性が、経験を語りました。

 長男は中3の秋、不登校になりました。おしゃべりで友人も多く、社交的でもありましたが「非常にまじめな性格で、絶対に高校に合格しなければ、というプレッシャーがあったのかもしれません」(男性)。

 男性は当初こそ、「そのうち学校に行くだろう」と楽観していたものの、受験を控えて次第に焦りが募り、年末についに爆発。長男が寝ていた布団を引きはがして、怒鳴ったといいます。

 「いつまで休んでいるんだ。受験しないなら家を出ていけ!」

 長男は、冬の寒い中をパジャマのままで外へ飛び出し、警察に捜索を依頼する騒ぎに。「長男は、それから目も合わせなくなりました」。高校には何とか合格したものの、ほとんど行かずに中退。ひきこもっていた4年間は、会話もままならない状態でした。ただその後は、特にきっかけもなく外へ出るようになり高卒認定試験に合格。大学へ進み、現在は社会人生活を送っているといいます。 男性は、当時を振り返ってこう話しました。

 「布団にくるまってうめいている姿を見ると、良い学校に行ってほしいとか、普通の生活に戻ってほしいという気持ちは消え、とにかく笑ってほしい、と思いました

「親亡き後、どう生きていくのか」母親に募る不安

 イベントには、10年以上ひきこもっている子どもを持つ親も、多数参加していました。神奈川県から来た60代の女性の息子(29歳)は、高2から12年間部屋にひきこもり、外出はコンビニに行く程度だといいます。

 「部屋からは、最低限の用事をするために出て来るだけで、食事も自室に運んでしまう。ちゃんとした会話もないのはつらい」

 行政のひきこもり相談窓口に行こうと誘っても、「あいつらとは違う」「必要ない」と拒否し、訪問支援の職員が来た時も、部屋から出てきませんでした。「親亡き後、経済的に困るのは分かり切っている。どうやって生きてくのか」と、母親は心配しますが、本人は「働けない」と言うだけです。

 「もし働く気になったとしても、すぐ仕事に就けるとは思えない。まずは誰かと関わるよう促し、支援機関につなげたい。いざとなれば1人分の生活費くらい、稼げるようになるだろう、と期待しているのですが……」と話しました。

 次男がひきこもっているという父親からは、こんな言葉もありました。

 「私はいわゆる団塊世代。マイホームにマイカーを持ち、できれば会社の付き合いでゴルフくらいしたい、偏差値の高い学校に行くのが良い……といった若い頃の価値観を、直接話したつもりはなくとも、子どもに重ねてしまった面はあると思う」

当事者女性 子育てに無関心な父に「寂しい」

 一方、ひきこもり当事者である子どもの側からも、発言がありました。

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