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ICU祭 ダイバーシティと言わずに多様性を考える

子育て・教育

ICU祭 ダイバーシティと言わずに多様性を考える

「違う」のは良いこと? 悪いこと?

「自分が悪いのに、泣けば悪くない、みたいなのはおかしい」

 続いて息子に尋ねてみました。「女子に直してほしいことはある?」

 息子「ちょっと、やりあいになった時、女子が完全に悪い場合でも、女子が泣くと男子が怒られる。だから、ずるい!」

 これも、家の中と学校の両方で起きていることに対する不満かな、と思います。息子によると、最初にどんな風にやり取りが始まったかにかかわらず「泣いたらみんなが慰める。その子が悪いのに、泣けば悪くないみたいな雰囲気になるのは、おかしい」

 ちなみにわが家では、娘と息子がじゃれ合った末に喧嘩になり、娘が泣いた場合でも「どっちもどっち」であれば、そのように話すようにしています。「泣いたほうが勝ち」という規範は良くないからです。一方、息子が娘にいらぬちょっかいを出した時は「やめなさい」とはっきり言います。それでも、子どもから見て不公平と思うことはあるのでしょう。この原稿を確認のため読んでもらったら、息子は「そうだよ! 不公平だよ!」と言っていましたから、私に反省の余地もあります。

 ところで私が見る限り、小学校低学年~中学年は、自分の頃と比べると男女が仲良く見えます。道で会うと「●●××ちゃん、バイバイ!」「〇〇◎◎くん、またね!」とお互いフルネームに敬称をつけて挨拶しあう娘の様子を見ていると、フラットな関係でいいなあ、と思います。

 約35年前、私が通っていた神奈川県内の公立小学校では、男女は互いに姓を呼び捨てしていましたし、姓名ともに珍しい私は1年生の時、クラスの男子に数え切れないほどからかわれて悔しい思いをしました。私自身は喧嘩が強かったので自助努力で対抗したものの、おとなしい子だったら「いじめられた」と感じたでしょう。先生は一度も介入しませんでした。一方で、今、うちの子ども達が通う学校では「違い」を理由にからかうことは、良くない、という指導を先生が折に触れてしている印象を持ちます。

 続いて、娘と息子にはそれぞれ「男子はからかってくるから、クラスを男子と女子で分けたほうがいい?」「女子はすぐ泣くから、同じクラスにいないほうがいい?」と質問したところです。今は2人に考えてもらっています。先に述べたように「男子が皆、からかってくるわけではない」「女子が皆、すぐに泣くわけではない」という事実も踏まえて、この後、話し合ってみようと思います。

 皆さんも、お子さんと「違っていて、面倒だな」と思った経験や「それなら、一緒にいないほうがいいのか?」といったことについて、ぜひ意見交換してみてください。正解はありませんが、お子さん達が社会に出ていく前の良い訓練になるのではないでしょうか。

 最後に。この記事で紹介した「劇団虹」は、公演の依頼も受け付けているようです。難しい言葉を使わず、お子さんと多様性を考えるきっかけを作ってくれるかもしれません。

治部 れんげ

治部 れんげ

ジャーナリスト。小学生の息子・娘の母。1997年一橋大学法学部卒業後、日経BP社入社。経済誌の記者を務める。2006~07年ミシガン大学客員研究員としてアメリカの共働き子育て先進事例を調査。14年からフリーに。2018年一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。著書に『稼ぐ妻・育てる夫―夫婦の戦略的役割交換』(勁草書房)、『ふたりの子育てルール』(PHP研究所)、『炎上しない企業情報発信 ジェンダーはビジネスの新教養である』(日本経済新聞出版社)。現在、東京大学大学院情報学環客員研究員、昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員。東京都男女平等参画審議会委員、日本政府主催の「国際女性会議WAW!」アドバイザーズメンバー。一般財団法人女性労働協会評議員。公益財団法人ジョイセフ理事。

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治部れんげ 小学生男子とジェンダーを語る

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