スマホ版サイトを見る

働くママ&パパに役立つノウハウ情報サイト

日経DUAL

不登校児に社会参画への興味を育てるフリースクール

子育て・教育

不登校児に社会参画への興味を育てるフリースクール

東京未来大学みらいフリースクール(上)居場所を提供するだけでなく、卒業後を視野に入れたカリキュラムで不登校児の未来をサポート

日本で初めてできた不登校に関する法律(「教育機会確保法」2016年12月)をきっかけに、国は「学校へ戻すことがゴールではない」という新しい方針を打ち出し、不登校対応への見直しに乗り出しています。今後は不登校の子どもの居場所や、学校に代わる学びの場として「フリースクール 」を選択する家庭が増えてくることが考えられますが、その特色はフリースクールごとに様々です。様々なフリースクールの特色をリポートする本連載の第3回では、東京都足立区の「東京未来大学みらいフリースクール」におじゃまし、子どもたちの様子やカリキュラムのこと、進路について聞きました。2回にわたってお届けします。

(上)不登校児に社会参画への興味を育てるフリースクール
(下)専門学校、高校との関わりが不登校児の夢を育てる

同じ法人が運営する大学からのフォローがあるのが大きな特色

 大きなひし形の窓と優しい色合いの外観が印象的な建物が、「東京未来大学みらいフリースクール」(以下みらいフリースクール)の校舎です。この建物には東京未来大学福祉保育専門学校、飛鳥未来高等学校、東京未来大学こどもみらい園が同居していて、太陽の光が差し込む校内はとても明るく、開放的な雰囲気。『みらいフリースクール』の教室は、この校舎の3階にあります。

みらいフリースクールは、全国に60校以上の専門学校をはじめ、東京未来大学や短期大学、高等学校を展開している学校法人三幸学園が運営するフリースクールです。

 同スクールの大きな特徴は東京未来大学と提携していて、同大の学問体系がバックボーンにある点です。フリースクールを単に「居場所」として終わらせるのではなく、子ども自身が“好きなこと・やりたいこと・学びたいこと”を見つけて、主体性を培える環境を提供したいと創設されました。

明るいデザインが印象的な、みらいフリースクールの校舎
お話を聞いた千田桃世先生。国語の授業も担当している

 今回お話を聞いたのは、同スクールで教室長・国語教師を務めている千田桃世先生です。

  

 「東京未来大学の教授はスーパーバイザーとして子どもたちの様子を見ています。大学の研究者が教職員に対する研修なども行っており、子どもたちに関わる教職員は同大で不登校カウンセリング基礎という授業を受講します」。大学と連携しながら子どもたち一人ひとりに合わせてしっかりとサポートできる体制を整えているのは、通学する子どもたちにも大きなメリットといえるでしょう

 同スクールが開校したのは、今から3年前の2015年10月。同じ校舎の中には三幸学園が運営する発達障害の子に向けた個別塾『東京未来大学こどもみらい園』があり、発達の悩みを抱えた子の中に、それによって不登校になっているという相談があったことが、フリースクールを立ち上げるきっかけになりました。

 この塾には、発達支援の必要はないけれども、担任の先生や友達同士のトラブルなど、学校での人間関係につまずいたり、学校生活になじめないなど、様々な理由で不登校になった子も通っていました。

 「学校生活になじめない子、学校で傷ついた子どもたちが、自信と誇りを取り戻し、勇気をもって社会に出ていける環境をつくりたい。その思いからスタートしたのが『みらいフリースクール』です。高等学校や専門学校、短大、大学といった上級学校が多数あるのが当フリースクールの強みでもあるので、子どもたちに将来の選択肢をたくさん見せてあげながら、しっかり社会参画できる人を育てていきたい。これが当スクールの目標です」

 

 子どもたちの主体性を培うひとつとして大事にしているのは、大人が児童や生徒に一方通行で指示を与えるような教育をするのではなく、今、自分は何をしたいのか、何が好きなのかを子どもと一緒に見つけていくこと。それはフリースクールでの過ごし方や、カリキュラムの随所にちりばめられています。

子どもたちは好きな時間に登校し、好きな席に座わる

小4から中3まで異年齢の子どもが全員一緒に過ごす

 2018年10月現在では小学校4年生から中学校3年生まで40名の子どもたちが在籍。男女比はほぼ5対5。毎日通っているのは25~30名くらいです。一人で過ごしたい子には別の部屋が用意されていますが、基本的には異年齢が全員一緒に同じ部屋で過ごします。

 「公立学校では通常学年ごとにクラスを構成しますが、必ずしも同級生と気が合うわけではありません。すると、『あの子は同級生とうまく付き合えない子』だという色眼鏡で見られることも出てきてしまいます。でも、子どもによっては、年上のほうが気の合う子もいれば、年下のほうが付き合いやすい子もいます。子どもによってそれぞれ傾向があるものなので、異年齢同士が気兼ねなく関わりを持てるのは利点だと考えています」

 大人が余計なサポートをしなくても、年上の子が年下の面倒を見たり、優しく声かけすることもごく自然なこと。思いやりや人を敬う気持ちが生まれてくるのも、異年齢が一緒に過ごしているメリットです。

 「活動内容によっては年下の子が年上の子を引っ張っていくこともあります。それぞれ得意分野があるので、その時々で主役が変わるのも、異年齢の良さであり、面白さですね

次ページ 子どものタイプも大人のタイプもいろい...

連載バックナンバー

不登校の子の居場所を探して

CLOSE UP PR

DUAL Selection-PR-

「子育て・教育」ランキング

ピックアップ

-PR-

注目キーワード