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働き方改革はなぜ実感が得られないのか

東大の柳川範之教授に学ぶスペシャルゼミ第2回。働き方改革は現場の声を吸い上げることから始まる

会社が置かれた「経済環境」に違い

―― 「働き方改革」が過渡期のためか、勤務時間が減り、仕事量は変わらないケースも多いと思います。例えば、「20時で強制的に職場が消灯になるが、仕事は終わらないので結局パソコンを家に持ち帰って仕事する」といった声も聞かれます。

柳川 それは実際に多いと思いますので、上層部に伝えていく必要があるでしょう。例えば、電通での過労による悲しい事件がありましたが、現場からのボトムアップから上層部を変えていった事例の一つだと思います。そう考えると、どの会社でも現場には切実なニーズがあるはずです。

 また、勤務時間の長さで判断しなくなっていく今、会社はどんな基準で社員を評価するのかも含めて、改めて考え直さないといけないですね。今回の法律改正をきっかけに、個人も会社も考えることがたくさん出てきました。勤務時間を短くするには、無駄な仕事を減らしたり、無意味な待機時間をなくしたりと、さまざまなことを模索していく必要があります。

 とはいっても、会社が置かれている「経済環境」によっても大きく変わるのですが……。

―― 経済環境というと、利益を出せている会社か、そうでない会社かということでしょうか?

柳川 まあ、そういうことです。経営的なゆとりがあるのかどうかということですね。経済環境に余裕がなければ、利益を出すことが最優先になってしまって、働き方改革まで考えることができない。とりあえずみんなに働いてもらわないと会社が倒れてしまうかもしれないわけですから。

 さらに、もう一つ問題があります。日本人はみんなものすごく頑張って、真面目に働いているのですが、なぜか生産性が上がらない。つまり、労働時間に見合った利益を出せていないのです。これは、非常にもったいないことだと思います。

 真の働き方改革とは、働きやすいといった自由度を求めるだけでなく、きちんと生産性が上がることも重要です。できるだけ少ない労力で多くの利益を出せるように、会社組織としてどのように取り組んでいくか。そこに、創意工夫が必要なのです。

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