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自分の身を守る「安全基礎体力」が育つ乳幼児遊び

子育て・教育

自分の身を守る「安全基礎体力」が育つ乳幼児遊び

遊びを通して教えたい「守ってもらう力」と「自分の身を自分で守れる力」

 「安全基礎体力」という言葉、耳慣れないかもしれませんね。これは、防犯教育の専門家である清永奈穂さんたちが名付けた、子どもがいざというときに自分で考え、判断し、自分の身を守ることができる力のことです。怪しい人に声をかけられても「嫌です」ときっぱり断ることができ、危ない目に遭いそうになったら走って逃げる。このような安全基礎体力は、いつ、どんなふうに教えればよいのでしょうか。赤ちゃん時代から幼児期に教えたいことを聞きました。

「安全教室」の体験を生かし、危険から逃げることができた小学校1年生

 各地の小学校や幼稚園・保育園などに出向き、子どもの安全基礎体力を育てる「体験型安全教室」を開いている清永さん。この「安全教室」が実際に役に立った事例があったと話します。

 東京都内の幼稚園で「体験型安全教室」に親子で参加した男の子Aくん。教室では、腕をつかまれたとき、相手の手の親指と他の指の隙間を切るように腕をぶんぶん振って横に抜く「腕ぶんぶん」や、お尻を地面に着け、両足の相手のすねを蹴飛ばす「ジタバタ」で、逃げる練習をしました。

 その後、小学校1年生になった2学期のある日、一人で下校していたところ、知らない男に腕をつかまれました。Aくんはとっさに、安全教室の「ジタバタ」を思い出し、必死で相手のすねを蹴飛ばし、さっと立ち上がって、その場から走って逃げることができました

 そして、家に着くと、教わった通り、今あったことをお母さんに報告しました。そして、報告を受けたお母さんも、教室で習った通り、すぐに警察と小学校に電話をしたのです。

 「子どもが大人に腕をつかまれたら、何もできないだろうと思いがちですが、決してそんなことはありません」。清永さんは、こう話します。「防犯ブザーを鳴らすなど、いろいろな選択肢がある中、Aくんはこの場から逃げるためには瞬時にお尻をつけてジタバタするのが一番だと自分自身で判断しました。そして、勇気を出してそれを実行し、逃げて帰ってくることができたのです」

 「幼稚園の時に教室で学んだことを、月日を経て発揮できたのは、Aくんの中で安全基礎体力の芽が育っている証拠でしょう。大人は子どもが自立するまでその芽に水をやり、伸ばしてあげる働きかけをすることが大事です」

 お母さんは幼稚園にも電話をかけ、先生にこう言ったそうです。「本人は泣きながら帰ってきたので、きっと怖かったのでしょう。けれども、子どもが自分でこれをやろうと選択して、逃げて帰ってきたこと、そして、それを私に伝えられたことは一生の自信になるだろうと思っています」

清永さんが指導する体験型安全教室の様子。お尻を地面に着けて、相手のすねを狙いキックする「ジタバタ」を訓練中。ひたすらキックするのではなく、相手がひるんだ隙を見てさっと立ち上がれるような体勢をとるのがポイント(画像提供/ステップ総合研究所)
 
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