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過干渉育児は米国にはない? 駐夫になり変化した点

仕事のクセが抜けず子育てでも「先読み」/自己肯定感を徹底的に高める米国人の褒め方を子育てに応用

 海外に転勤した夫についていく妻は、ちまたでは「海外駐在員の妻=駐妻(ちゅうづま)」と呼ばれます。では、妻の転勤についていった夫は「駐夫(ちゅうおっと)」――? 共働きであれば、いつ起きるか分からないのがパートナーの転勤です。妻の米国への転勤を機に会社を休職し、自ら「駐夫」になることを選択した大手メディアの政治記者、小西一禎さん。そんな小西さんが、米国NYで駐夫&主夫生活を送りながら、日本の共働きや子育てにまつわる、あれやこれやについて考える連載です。

 今回は「過干渉育児は米国にもある?」「自己肯定感を高める米国人の褒め方」などについてお届けします。

怒涛(どとう)の朝時間の後に感じる自己嫌悪

 「早く起きなさい」「服を着なさい」「もう、迎えのバスが来るぞ」「おにぎり、もう一つ食べて」……。

 駐夫になってから1年がたちましたが、どうにもこうにも朝から気分が落ち込み、 激しい自己嫌悪に浸ることが今でもよくあります。

 子どもを幼稚園に送り出す前に、ついつい怒鳴ってしまったときです。特に、行くのをぐずっている日は、イライラして何度も声を張り上げてしまいます。

 あらん限りの指示語を繰り出し、何とか二人ともバスに乗せた安堵感の直後に押し寄せる、自分を責める気持ち。そんな日は、「行ってらっしゃい」と声を掛けても、子どもは言葉を発しません。無言の背中で突き付ける、わが子なりの父親への抗議と受け止めていますが、なんともやるせない気持ちになります。

 平日の朝は時間がないこともあり、服を着せ、靴を履かせ、リュックの中をチェック。親ができることは、ほぼ私がやってしまいます。よくないと思っていても、他の園児たちも多く乗っているバスを待たせている以上、背に腹は代えられません。

 その代わりというわけではありませんが、朝以外は、子どもを信じた上で、じっくり見守り、「パパ、これやって。これ教えて」と言われるまで、極力待つようにしています。時には忍耐を必要としますが、そこは辛抱です。何よりも、働いていた当時に比べ、時間もありますし、日々さらされていた仕事のストレスから解放されているため、私に精神的余裕があるのが以前と決定的な違いです

子育てでも仕事のクセが抜けず「先読み」してしまう

 私が13年弱続けてきた政治記者は、記事を書くのがメインではありますが、物事の先行きを読むのも重要な要素の一つです。首相や自民党幹部らの発言の変遷を細かくチェックし、潮目が変化する兆しを読み取ります。中長期的な視点に立ち、政治がどう動いていくかを見通す力、いわゆる「政局観」と呼ばれますが、これが記者としての優劣を決めると言っても過言ではありません。

 その職業病がたたり、休職前の子育てはせっかちで、子どもの行動や心を常に先に読んでしまっていました

 ハサミや折り紙遊び、食べ物をフォークで切るときや、洋服のボタンを留めるときなど、しゃしゃり出て、やってしまう。子どもはうまくできないのが当たり前です。それなのに「こうしたいに違いない」「こうすれば喜ぶはず」。いつも先回りして、体と口を動かしてしまう過干渉そのものでした

一時帰国し、筆者の故郷・埼玉県行田市で、いとこも交えてせんべい焼きに興じる子どもたち
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NYで主夫&駐夫しながら日本の共働きについて考えた

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