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脳を“超回復”させる最強のメソッド「運動あそび」

子育て・教育 有料会員限定記事

脳を“超回復”させる最強のメソッド「運動あそび」

【未来型人材に“自ら育つ”早期教育】(6)思う存分体を使って遊ぶことによって、脳が育ち、チャレンジできる心がつくられる。学力はその副産物

 グローバル社会が叫ばれて久しく、AIが注目を集める現代。子どもたちが大人になるころに必要とされる能力は、親の世代とは全く異なるといわれています。足元を見れば2020年の教育改革も迫る中、「わが子が将来活躍できるようにするには、今、何をすればいいのだろうか?」と悩むパパ・ママも多いことでしょう。世の中には情報があふれ、身近な人の話を聞いて「○歳までにあれをしなければ!」と焦燥感に駆られることもあるかもしれません。

 以前、日経DUALでは「“教えない”早期教育」という特集を掲載し、大きな反響を呼びました。今回はその第2弾として、大事なわが子を未来に役立つ人材に育てるために大切なことは何か、未就学児の段階で親が本来心がけるべきことは何かということに迫ります。キーワードは「遺伝と環境」「親の愛情」「幼児期の教育」「睡眠」「運動あそび」。それぞれの切り口から、「本当に必要な乳幼児教育」の在り方について考えていきます。

 今回は特集最終回。筑波大学教授で、ヒューマン・ハイ・パフォーマンス先端研究センター(ARIHHP)長として、人間の心身の活力を最適化することを目指した次世代健康スポーツ科学に取り組む征矢英昭先生に、運動と脳との関係、子どもの脳を活性化するために必要なことについて伺いました。

【未来型人材に“自ら育つ”早期教育特集】
第1回 本当に効果ある早期教育は? 子どもは遊びから学ぶ
第2回 子どもの能力は遺伝と環境の“掛け算”で決まる
第3回 「親の愛情」次第で脳の成長は大きく変わる
第4回 グローバルで通用する能力「6Cs」を育む幼児教育
第5回 睡眠第一で医学部合格 “後伸び”する子の育て方
第6回 脳を“超回復”させる最強のメソッド「運動あそび」 ←今回はココ

メッシが世界一の選手になれたのは脳機能が優れているから

 「運動することによって脳は活性化し、脳が活性化することによって運動のレベルも上がります」

 征矢先生は、近年、短時間の軽い運動をすることで脳の「実行機能」がアップすることを実証しました。実行機能とは、計画的な行動の調節に関わる認知機能とされ、抑制、注意の移動、ワーキングメモリー、目標指向行動などに関与します。これは、前頭前野の背外側部(DLPFC; dorsolateral prefrontal cortex)の働きによるもので、具体的には、次の行動を正しく判断していくために必要なものです。実行機能は、3~5歳ごろまでに急激に発達し、その後も発達を続けて15~16歳ごろに成人と同レベルになるそうです。

 「これまで、スポーツ科学において脳はあまり注目されてきませんでした。筋肉や骨格の動き、負荷のかかり方などフィジカル面ばかりが研究されてきたのです。しかし、肉体を動かしているのは、他ならぬ脳の働きによるものです」

 世間では“脳筋”などと揶揄する言葉もありますが、実はアスリートとして大成するのは脳の働きによるところが大きい、と征矢先生。例えば、アルゼンチン代表のサッカー選手リオネル・メッシが世界一の選手になれたのは、「単にドリブルがうまいから、足が速いからではない」と話します。

 「敵の選手が大勢いる中のどこを抜けていけばゴールに近づけるのか、自分も絶えず動きながら、どこにパスを出せばいいのか、どこからパスが飛んでくるのか。それを常に高いレベルで予測してプレイできるからこそ、メッシはあれだけの選手になれたのです。もちろん足も速くなくてはイメージ通りに動けないわけですが、メッシの足を動かしているのは脳ですから、脳がすごいということ。メッシは“時間や空間を正確に把握し、自らも動きながら目標(ゴール)を目指して動く”という非常に高度な脳の実行機能を駆使しているわけです」

 「動物にとって生きていくために運動は必要不可欠なものですが、そのためにも脳の働きは不可欠」と征矢先生は強調します。

 「野生動物は動かなければエサも食べられず、伴侶も得られず、敵から逃げることもできません。そのために、目や鼻、耳などから得る五感を通して周囲の環境、状況を把握し、それを脳に伝えて判断して動き、動きながらまた同じことを繰り返します。このとき判断を間違えると死に至ることもあるため、脳はとても活性化しているのです」

 人間は野生動物とは異なりますが、五感を研ぎ澄まして様々な情報を集め、それを基に状況を判断して行動していくことは同じです。そのときに脳が活性化するので、逆に言えば、じっとして同じ場所から動かず、何もしないでいれば眠くなります。この状態では意欲もわかず、頭もまわりません。

 「メッシが試合で発揮するような、刻一刻と変化する状況に対応して適切に処理する能力を“認知柔軟性”といいます。これは、学校で教えられるものではなく、様々な経験を重ねていく中でのみ鍛えられるものです。机に座って長時間勉強するなど、同じ環境下にずっと置かれていると脳は活性化せず、認知柔軟性も育ちません。成長著しい幼児期の子どもに長時間の勉強を強いることなどは意味がないということです。言い換えれば、“環境が脳を作る”ともいえるでしょう」

 子どもが将来出ていく社会は、多くの課題や問題にぶつかる場所です。それまで経験したことがない事態や、自分とは相反する立場の人を説得しなければならないような場合にも対処していかなくてはいけません。そういったことに対応、適応することのできる脳を持った大人になるためには、様々な環境に身を置くことがとても大事なのです。

<次のページからの内容>
● 認知機能を高めるには10分ほどの運動で十分
● 運動と休息を繰り返すことで体も脳も“超回復”する
● 子どもには体を動かす“運動あそび”が最適
● 恐怖体験も脳を育てることにつながる
● 楽しい記憶を残すことが運動を長く続ける秘訣
● 脳の機能で重要なのは認知機能よりも感性や判断力
● “早寝・早起き・朝ごはん”は運動による脳の機能アップにも効果的
● 学力はおまけのように後からついてくる
次ページ 運動と休息を繰り返すことで体も脳も“...

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