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「パパはがんになったんだ」子どもにどう伝えるか

「親のがん」対談 キャンサーペアレンツ西口洋平×マギーズ東京秋山正子(上)。とことん話を聞いて不安をとり除くことで、がん患者は生きる力を取り戻す

パパは、病気についてママから子どもに伝えてもらっている

秋山 でも、結局奥さんがお子さんにお伝えになったということは、望む答えは得られなかった?

西口 そんなことはありません。ただ、色々な人に聞いてみて分かったんですが、その人のバックグラウンドや、親と子どもとの関係性って様々で、住んでいる地域も病気の度合いも色々なので、参考にはなるけれど、解決にはならないなと。

秋山 それでも、情報があるのとないのとでは、ずいぶん違いますよね。

西口 そうなんです。そのことによって、じゃあ自分はこうしようという、行動に至るまでの選択肢が広がるというか、考え方の整理ができる。そこはやっぱりすごく大きいですね。

秋山 答えは提示できないけれど、情報は提示できるということですよね。

西口 はい。僕らは後押ししかできないんですけど、何も分からない状態でやってみて失敗しましたっていうのは、なくしたほうがいい。失敗するにしても、多くの情報を得たうえで、自分で考えて、選んだ行動の結果として失敗したのなら、納得もできると思うので。公的な支援や患者自身の体験とか、もっと色々な情報がちゃんと可視化されているといいんじゃないかなと思ったんです。

秋山 「みんなはどうやって子どもに伝えているんだろう?」ということについては、具体的にどうやって情報を集めたんですか?

西口 キャンサーペアレンツの会員の方たちに「子どもに伝えましたか?」というアンケートを取りました。そうしたら、男性と女性で大きな違いがあることが分かりました。ママは自分の病気は自分で子どもに伝える人が大多数なのですが、パパは奥さんを通じて子どもに伝えるという人が圧倒的に多かったんです。それを見て、僕はちょっと安心しました。ああ、チキンは僕だけじゃなかったんだって(笑)。

 ただ、これも人によってとらえ方は様々なんです。僕みたいに「自分だけじゃなかった! 良かった」と取る人もいれば、「妻に負担がかかっているんだな」と思う人もいる。「ママと子どもの仲には、やっぱりパパは入っていけないな」と感じる人もいる。でも、そういう情報があるかないかで、自分の行動も変わってくるので、やっぱり情報共有は大事だなと感じますね。

 ――下編に続きます。

(取材・文/荒木晶子、日経DUAL編集部 撮影/阿部昌也)

西口洋平
1979年、大阪府出身。妻、娘(9歳)との3人家族。2015年2月胆管がんの告知後に「キャンサーペアレンツ~こどもをもつがん患者でつながろう」を立ち上げ、活動中。現在、週3日働きながら治療を続けるとともに、「がんと就労」「がん教育」などのテーマで講演や研修なども行っている。
秋山正子
1950年秋田県出身。日本初のがんの影響を受けるすべての人のための相談施設「マギーズ東京」初代センター長、訪問看護師。(株)ケアーズ代表取締役・白十字訪問看護ステーション代表取締役所長、NPO法人白十字在宅ボランティアの会理事長も務める。現在、2020年の東京オリンピック終了までの期間限定で借り受けているマギーズ東京を存続できるよう積極的に活動中。『在宅ケアの不思議な力』(医学書院)など著書多数。

連載バックナンバー

キャンサーペアレンツ西口洋平の「親のがん」対談

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